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星あかり
夜があけると、空から降った星を集めてタライに入れる。みんなパチパチと音を立てて不満そうだ。
回収した中の数個を、報酬としてもらう。友人はホットケーキに入れたり、炭酸飲料に浮かべたりするという。
自分は、小瓶に入れて歩く。夜明けすぐだと、空気は一際冷たい。日差しを受けて温もっていく。
星のバイトを紹介してくれたのは友人だった。好事家以外には口にすることのない、星の欠片たちを、公然と手に入れられるという触れ込みだった。
今回の参加者には、星を飼うという人もいた。餌は朝露らしい。
私は、いつか空へ返してあげる。宇宙特集の雑誌上に小瓶を置いてやると、それもどうかなと星は文句を言っていた。
#Monthly300 @mon300nov
毎月300字小説企画第25回お題・あける




