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尽きた星

 白銀のロウソクが今燃え尽きた。彼の命を表して、変わらない姿を維持していたというのに。

「もう行っていい?」

 問いかけに返事はない。鍵のない部屋から、久方ぶりに外へ出る。

 窓の外には木々の梢。小鳥達が忙しげに鳴き交わす。昼だけの楽しみだ。

 胸に巣食う不安は、もう微塵も残っていない。

 契約書の裏面の付帯事項、星は魔王を封じるが彼が消滅した場合は自由になる、逆もまた然りとする、の文字を思い返す。

 彼もまた不幸な犠牲者だった。世界を光で焼き尽くすはずの生き物と遭遇して、共に生き続け、互いに封じ合う予定だったのに。不老不死のはずの彼の方が、先に折れたなんて。

「長い根比べだったよ」

 もうほとんど光も残らない、ただほんのりと明るいだけの星は、魔王の死を知らせる鐘の音を聞きながら、外の世界へ踏み出した。

 そうして、灰になって空へ還った。

せらさんへのお題は、

【白銀のロウソク】、【昼だけの】、【巣食う】です!

予備:【裏面】

#shindanmaker #ファンタジックお題

https://shindanmaker.com/1194949

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