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暇な天使と罪の味
何て罪深い果実だろう。煮ても焼いても、そのまま切って果肉を味わってもよし。秋の果実を四つに割って食べると、聖堂内にシャクシャクと小気味良い音が響く。
「何でそんなところで食べてるんです?」
「どう?」
椅子に座って皿を差し出すと、天使は怪訝そうにする。
「実は難題があって力を借りたい」
「それを聞いて納得です。賄賂ですか」
「そうじゃない。これは地上で努力する可愛い人間たちの、努力の結晶だよ。美味しく食べてほしいんだ」
人間嫌いと言いつつ好奇心のある天使は、林檎を受け取り、そっと食んだ。
「貴方のくだらない話は、たまに当たりがあるから興味があります」
一安心し、事件の概要を話し始めた。
せらさんへのお題は、
【罪深い果実】、【秋の】、【食べる】です!
予備:【聖堂】
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#300字小説




