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お守り

 指輪をもらったら、妖精がついてきた。手入れを怠ると叱られる。

 指にはめたままだと不機嫌になるので、とっておきのときしかつけない。

 おめかしして出かけたいときや、勇気がほしいとき。

「あのね」

 自分の意志を通すのが、難しく感じるときがある。今がそう。何を言っても通らない。幼い子ども相手のように、取るにたらないと、軽くあしらわれてしまう。

 震える手に、そっと、何かが触れる。

 指輪から少し離れて、妖精が、私の震える拳に触る。背中の薄い羽の、半透明の影が、テーブルに落ちている。

 ふと、大丈夫な気がして、毅然と話ができた。

 その日は目一杯指輪を磨いて、妖精と共に満足して眠りについた。

#Monthly300 @mon300nov

毎月300字小説企画第18回お題・指

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