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涙の小雨と、お天気注意

第三十三回のお題「かさ」参加。

「涙の小雨と、お天気注意」

オリジナル


#Twitter300字ss

 傘を開き、地面に突き立てて回す。くるり、くるり。

 中から水滴がこぼれだす。あの子の涙、その子の涙。

 嬉し泣きも悔し泣きも、分け隔てなく、傘の内側にこぼし入れてきた。そろそろいっぱいになる。

 ためこんで、やっと外へ落とした涙たちは、さざめきながら、海へかえる。


 実は最近傘職人が減ったので、新しい傘も減り、うまく涙を受け止められない。溢れると世界中で気持ちの洪水を起こしてしまう。それを避けるため、涙を小分けにしてあちらこちらに返しておく。

 突然の喜び、悲しみは、そのひとのものではなくて、誰かの涙も混ざっている。

 少しの涙であっても混乱するひとびとの間で、今日も傘を回し続ける。

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