表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
207/233

酔うて見るのは

 罠であることは分かっていた。

(悲しいのう)

 龍は地面に寝そべった。愛しい娘は、微笑んで酒を注ぐ。

 人間のために、あれこれと世話を焼いてきた。日照りが続けば雨を降らせ、雨が多ければ風で雲を吹き払った。多くの供物は望まず、ただ彼らの営みを見ているのが好きだった。

 それは悪龍ですよと、街から来た若者が言ったのだ。世界龍会議をサボっている間に、龍の仕事を放り出したことが問題視されていた。若い龍が人に化けてやってきて、村から追い出そうと試みた。

 人間との間に生まれた子孫が酒宴を開くなら、罠でも断れない。

 酔い潰れた龍は大型コンテナに詰められて、遠い故郷に送られた。村とはたまに文通している。

#Monthly300 @mon300nov

毎月300字小説企画第15回お題・酔う

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ