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ユメノクニ

 まだだよ、まだ起きちゃだめ。

 パーティーの準備は終わっていない。

 ぬいぐるみたちは、くすくす笑って、持ち主の体を布団に押し込む。

 まだ起きちゃだめ。

 とびきりのケーキも、炭酸のきいたジュースも、フルーツポンチも途中なんだ。

 どれほど楽しそうな声が聞こえても、まだそこで眠っておいて。

 まぶたが重たくって、ぜんぜん、起きられないんでしょう?

 無理しないで。

 小さな頃に誰かから聞いた、あの子守唄を歌ってあげる。

 輪唱が広がって、さざなみのように持ち主を包み込む。

 外の天気も、気温も、何もここには届かない。

 窓の外がどうなっていても、ここは安心、安全だから。

 どうせケーキも夢なんでしょ? って、眠たくて舌足らずになる持ち主の、言葉ばかりは冴えている。

 そうだよなんて言えなくて、ぬいぐるみたちは持ち主を眠らせる。

 大丈夫、きっとぼくたちが守るから。

 何があっても大丈夫。


 わるいゆめからのがれるように。

 どうかあなたは、いい夢を。

#444書 「夢」向けに書いたもの。こちらに置くのを忘れてました。

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