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そこにある日々をかきとめる

 文房具が好きなんだよね。

 画材店を併設したギャラリーで、マチカが言う。

 画材なのか文房具なのか、手には数本の、新品のミリペン。全部線の太さが違うらしい。

 色も違うよ、と、マチカが見せてくれる。ピンク、紫、緑、青、赤。

 インク等の説明を聞き流して、スケッチブックを買う。柔らかさや濃さの異なる、鉛筆達も買い足した。鉛筆や色鉛筆の話なら、マチカより長くできる。さらさらと紙に擦られる黒鉛。音と匂い。「きれいだねーえ」と、マチカから賞賛される紙面。

 マチカみたいに、ミリペンで伸びやかに描けないが、マチカも鉛筆は上手く扱えない。描くものに合わせた画材なのか、扱える画材に振り回されているのか、分からないが。

 店を出て、喫茶店で休憩する。水のグラスが目についた。スケッチブックに鉛筆を走らせる。

 描いた後、マチカが、スケッチブックを引き寄せた。

 表紙に、買ったばかりのミリペンで、似顔絵を描く。

 なぜか笑っている私達を。

 汚したくなくて、スケッチブックはすぐにしまった。


444書「文房具」https://necotoco.com/amabun/21/444sho/

向けに。

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