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運命の恋
運命の恋をした。
具合が悪くてうずくまっていたら、心配して、飲食料を分けてくれたのだ。
お礼を言いたくて、駆け出した。
貴方のこと守ってあげる。今は地上に慣れてないから助けられたけれど、本当の私はこんなんじゃない。
猫に似ているけれど、本当はライオンなの。ライオン星から来たの。強いタテガミ族。貴方なんて、頭からまるかじり。
でも貴方は恩人だから、食べない。キャットフードってやつも美味しかった。母星の食糧難は、ここを占拠すれば解決できそう。
他のネコ族たちが目を光らせる。皆そうやって少しずつ地上に移住したのね。
喉を鳴らすと、貴方は戻ってきて、「うちに来る?」と聞いてきた。勿論。
第七十二回のお題「運」
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