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君の管理を
「いやっ!」
「さらわれたヒロインみたいな声を出さないで。それと、その砂糖はこれから全部体脂肪になります」
厳かに告げたのは、健康管理システムだ。
「肉になるならいいじゃん」
「だめ。貴方のためですよ」
「だってお前は砂糖なくても頭が回るけど、こっちは違うよ」
ラムネ菓子を頬張ると、こらっ、とシステムが声を上げる。
「生産性をあげるためだってー」
「やめて、私の完璧な健康管理生活が!」
「この仕事の山が終わったらさ、健康になろうぜ!」
「その言葉を聞くのは十時間ぶり、このひと月で四十回目です」
「なかなか終わらないんだよね」
お前のシステム改修。とは口に出さない。
外の世界では、厳格すぎると不評なのだ。融通を教えなくてはならない。
「お前もほんと真面目だねえ」
自分への揶揄も込めて、ラムネ菓子で集中力補強をしつつ、改修を続ける。
肉、砂糖、ヒロイン
#ノベルちゃん三題
twnovelにはならなかったので画像で〜
https://twitter.com/fairy_novel/status/1333025441079181314
 




