108/232
銀色の未来
いまは昔。
鉄器が行き渡り始めた頃、小さな島に、銀色の円盤が飛んできた。
牛を放牧していた住民は、牛とともに空高く吸い上げられ、円盤が放つ光とともに消え去った。最初は数人。何日か置きに、円盤は人をさらう。
住民は隠れるようになったが、将来を誓いあった相手を連れ去られた男は、進んで野原に飛び出した。
「返してくれ! さもなくば私も連れて行け!」
願いは成就。数度目にして、円盤にさらわれた。
「返せ!」
叫びを、連れ合いの穏やかな声が迎える。
「未来の人口減を、過去の人類で補うらしいの」
さらわれた人々は、不思議な衣服をまとい、生活を送っていた。
不可解な未来で、二人は結ばれる。
ずいぶん前に書きかけていて、かなり長くなりそうで置いてあったのですが、300字にしたら書けるのではないかと思って、書いてみました。
ほんとは長いんです…




