表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱骨少女は進化したい! ――強くなれるならゾンビでもかじる!――  作者: kimimaro
第二章 紅くて速くて強いヤツ!
28/109

第二十七話 思わぬところで

 ダンジョン第二階層には、夜がない。

 お日様の代わりに光るでっかい魔鉱石の塊は、一日中ずーっと変わらぬ輝きを提供している。

 最初のうちはその光を気持ちよく感じていたのだけど、一週間――私の腹時計だけど――もすると、どうにもうっとおしく感じて来た。

 第一階層の暗がりは平気だったから、たぶんこの身体の本能なんだろう。

 命にかかわるような状態ではないんだけど、頭が冴えないことこの上ない。

 睡眠を四時間ぐらいしか取らなかった日の朝って感じだ。


「…………カカッ!!」


 ああ、もうダメッ!!

 ぼんやりして、魔力も練れやしない!

 手にしていた木の棒を投げると、その場で寝っ転がる。

 湖の中に落ちた棒が、シュバッと聞いたこともないような音を出した。

 あの忌々しい太陽め……!

 でーっかいトンカチでも用意して、カチ割りたくなってきた。

 あともうちょっとで、魔法剣を習得できそうだというのに。

 周りが明るすぎて落ち着かないことこの上ない。


 暗がりが良いなら、おうちの中で練習すればいいじゃない。

 そう思ったこともあったのだけど、危うく火事になりかけた。

 まだまだ制御が不安定だから、魔法が暴走していきなり火花を吹いちゃったりするのよね。

 私が火じゃ死なないことは身をもって実践したけれど、だからと言って焼けたいわけじゃない。

 死なないからって、身体を焼かれるのはもう二度とごめんだ。

 私にそういう変な趣味はない。

 ないったらないッ!


 ……閑話休題。

 森の中は薄暗くてだいぶマシだけれど、同じ理由から練習場所としては却下。

 消去法的に、練習できる場所は湖畔にある日当たり抜群の平地しかない。

 ここなら万が一の時にもすぐ消せて安全なんだけど、うーん……。

 こうも日差しが厳しいと、他の場所を捜した方が良いかもしれない。

 あちこち捜しまわれば、この階層にも一階層みたいな通路部分があったりして。

 

 そうと決まれば、行ってみますか。

 せっかくおうちを造ったんだし、徒歩圏内にそういう場所があると良いんだけど……。

 剣を腰に下げて、今まで行ったことのない方角へと向かってみる。

 今までおうちの建設と魔法剣の練習を優先していたので、結構行動範囲は狭かった。

 小一時間も歩けば、すぐに行ったことのない場所へとたどり着く。


「スースーッ!」


 しばらく歩いていると、そこだけ緑がこんもりと盛り上がった場所が見えて来た。

 空を見上げれば、遥か彼方にある天井がちょっぴりえぐれている。

 長年の間に、天井の一部が崩落したようだ。

 その残骸の上にまでいつしか森が広がって、ちょっとした山のようになっているらしい。

 ま、経緯はともかく山があると言うことは……その陰がある!

 私は走り出すと、急いで山の裏側へと回り込む。

 するとそこには――


「カカカッ!!」


 予想した通り、陰だ!

 しかも、斜面に沿って洞窟が開いている!

 ラッキー、洞窟の中なら火事の心配はないし暗さもバッチリッ!!

 練習するには最高の場所じゃない!

 神様ありがとう、感謝するわ!


 ナイスッと指を鳴らすと、慎重に洞窟の中へと足を踏み入れる。

 こういう洞窟は、獣たちの住処になってることが多いからね。

 一階層の洞窟に、巨大トカゲが住み着いていた例だってある。

 安全が確保されるまでは、あくまでも冷静かつ慎重に。

 ゆっくりゆっくりと、歩を進めていく。


 しかし、洞窟には不思議なほどモンスターの気配はなかった。

 ヒンヤリとした空気は清浄で、ダンジョンらしからぬ聖なるものすら感じる。

 こりゃ、ただの洞窟ではなさそうね。

 奥には何があるんだろう?

 もしや、伝説の聖剣が眠っているとか?

 急にお宝の気配がしてきたわねえ……ウヒャヒャッ!!

 たまんないわ!

 

 自然と足が軽くなる。

 ほどなくして、私は洞窟の突き当りへとたどり着いた。

 そこはちょっとした広場となっていて、地面に魔避けの魔法陣が刻まれている。

 なるほど、清浄な気配はこいつのせいか。

 でも、不思議と嫌な感じはしないわね。

 それどころか、何か心惹かれるようなものすら感じてしまう。

 モンスターと言っても、魂は悪の欠片もない清い乙女だからかしらね?

 さすがは私、身体は骨になっても聖女ッ!


 そのまま魔法陣の中心へ行くと、小さな石の柱が立っていた。

 なんだろ、これ?

 文字が書かれているようだけど、風化してしまってよくわからない。

 というかこれ、物の本に載ってた古王国文字じゃない!

 正体が気になるけど、これじゃあ素人には手も足も出ないわね。

 覚えておいて、町に戻ったら学者にでも聞くしかないか。


「……カッ?」


 夢中になって石柱を調べていると、足に何か当たった。

 おお、果物だ!

 石柱の裏側に当たる部分に、果物がどっさりと置かれていたのだ。

 不思議に思って触ってみれば、しっかりとした適度な感触が返ってくる。

 実はほとんど崩れていない。

 まだかなり新しいようだ。

 匂ってみれば、爽やかな甘い香りが鼻孔を抜ける。


 この香り、精霊さんのとこの果物と同じっぽい。

 でも、何でこれがここにあるんだろう?

 あそこにある果物って、森で捜してみたけどなかなか見つからないレアものだったのよねー。

 魔よけの魔法陣もあるし、モンスターがここへ来たとも考えられない。

 うーん……まあいっか!

 せっかくだし、食べてしまおう。

 私は甘味に飢えているのだッ!!


「スースー!」

「こ、こらーッ!! 食べちゃいけないのですーッ!!」

「カカッ!?」


 いきなり、光の球が体当たりを食らわせて来た。

 もしかしなくても精霊さんだ。

 なーんで、こんな場所に!

 そりゃ、魔法陣の内側に果物なんて持ってくるのは、精霊さんぐらいしかいないだろうけどさ!


「カカカカッ!!」

「む、もしかして……この間のシースさんです? なんか赤いですし」

「カカッ!」


 うんうんと、首を縦に振る私。

 すると精霊さんは、カーッと身に纏う光を強めた。

 いつぞやと同じく、念話の魔法をかけてくれたらしい。

 やがて私の頭に、直接声が響いてくる。


「これで、お話しできるようになったのですよー!」

「サンキュッ! カカッとスースーだけじゃ、意思疎通できないわよ!」

「ははは。それで、何でシースさんはこんなところに?」

「ちょっと、落ち着く場所を探してね。ほら私、スケルトンでしょ? こういう洞窟が好きなのよ」

「なるほどー」

「それより、精霊さんの方こそ何でここに? まさか、しつこく私を追いかけて来たんじゃ……!」


 精霊さんから距離を取ると、露骨に嫌な顔をする。

 まさか、まーた「僕と契約して果樹園を守ってよ!」とかってお願いしに来たんだろうか?

 狼王なんて物騒過ぎる奴とは、ぜーったいに関わり合いになりたくないのにッ!

 頼まれたら、どうやって断ってやろうか?

 上手いことやらないと、この子なかなかどうしてしつこそうだからなあ……。

 ……私が頭の中であれやこれやと考えていると、精霊さんは予想外のことを言う。


「ああ、ぼくがこの場所に居るのはですね。ここが、相棒さんのお墓だからなのですー」

「相棒?」

「そうなのですよー! 名前は……フェイル・テスラ! ものすっごく強い女の子だったのですよー!」


 ……なんてことよ、勇者じゃない!

 

この作品のテコ入れ策に対するたくさんのご意見、ありがとうございます!

感想欄の意見を参考に、現在いろいろとアイデアを練っているところです。

上位を目指して、これからも頑張りますのでよろしくお願いします!

なお、この作品が伸びるためにどうしたらいいのかという意見自体はまだまだ募集しております。

何かある方は、感想欄までぜひに。

返信はしない方針ですが、感想欄には目を通しておりますので。


※追伸 5000ポイント超えました、ありがとうございます! これからもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ