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IFの可能性

作者: Yamato

2作品目。前書きを書くのは初めて・・・カオスですよ?

ここは東京都、渋谷区。しかし私たちのいる世界とは違う世界。所謂「パラレルワールド」という所だ。

「まあ、酷いところになったな・・・」

誰に言うとでもなく一人の青年が呟く。

約6年前、この世界にいきなり空想上の生物たちが現れ、世界は大混乱になった。

しかし、空想生物の圧倒的な強さの前に、ありとあらゆる国がこの状況の打開を諦め、もはや世界中は無法地帯だ。

そんな中、一部の人間は様々な組織を作って武器を取り、治安の向上、空想生物の討伐&捕獲による研究を行い、僅かな人間たちが暮らす集落を守ってきた。この青年はその組織の一員である。

(今日の晩飯は確かサーペントの出汁の味噌汁だったかな・・・?)

そんな下らない思案に耽っていると・・・。

「!」

誰かの悲鳴。そして恐らくはこの世界の生物ではないモノの咆哮・・・!

(チッ!こんな廃墟まみれのビル街にいるやがるのか!?)

辺りを見回すと、東の方から土煙が轟音と共に立ち上っている。

急いで走っていくと・・・

(げ、ワイバーンかよ!!)

巨大な翼、赤い瞳、蒼黒の胴体、約10mの体・・・まさしくワイバーンだった。

そして・・・

(あの子は助からないな。)

血塗れの少女がワイバーンの顔のすぐ近くに倒れている。しかしワイバーンをしっかり睨みつけている目には不思議と力強さがあった。

近くの瓦礫の陰に潜んでいた青年はーーーー

「おおお!!」

ワイバーンに腰から抜いた刀(骨董品店からかっさらった)でワイバーンの死角から背中に斬りつけた!・・・が。

「ぬお!」

あっさり弾かれた。しかしーーーー

(これでこっちに気を取られた!)

彼はワイバーンに接近したときに気づいた。

(このガキ、怪我はしてねーな?!ただの返り血か!!)

そこで急遽作戦を変更し、少女を逃がすために自分が囮になったのだ。

「おい!ガキンチョ!!さっさと逃げろ!!」

しかし少女は逃げようとはせず・・・

「こいつを引きつけておいてください!」

と、言い放った。

(何考えてやがーーーー)

思いかけた瞬間。ワイバーンが鋭い爪を振り下ろした!

「!」

飛び散る鮮血。そのままワイバーンは尻尾でなぎ払い、青年を吹っ飛ばす・・・!

「ガハッ!」

意識が遠のきかける。しかし!

(引きつけろと言われたからには!!)

「退くわけにはいかねーんだよォォォ!!!」

吹っ飛ばされた勢いをそのままに近くの地面に半分だけ突き刺さり立っていた鉄骨を軸にし、回転してワイバーンの方に自分からブッ飛んだ!!

「行けぇ!!貫かれろォォッ!!」

刀を渾身の力で突き出す。そしてうまい具合に飛竜の右目に突き刺さったーーーー!!

「グギャァァァァ!!??」

悲鳴を上げ、暴れるワイバーンに目もくれず、突き刺さった刀の柄を思いっきり踏みつけ、より深く突き刺す。そして・・・

「そこから離れて!!」

少女の声だ。何も考えず、強大な飛竜の頭から跳躍し、その言葉に従う。

「最上位熱風魔法{エクスプロージョン}!!」

次の瞬間、廃ビルの屋上から見下ろしていて、逆光で影になっている少女の右手が業火の色に染まった。その業火はどんどん巨大になり、球状へ変化しーーーー

「喰らえ。」

何も感情がこもっていない声で一言呟くと、右腕に力を込めた。

廃ビルの屋上を覆い尽くすほどの巨大な火炎弾が突如少女の右腕から離れ、ワイバーンを容赦なく襲う!!

「グ、グギャアァァァァァァッッ!!!!」

その断末魔を最後に飛竜は燃え尽きた。



「・・・ん?」

青年が目を覚ますと、空は満天の星空。世界中の殆どの工業関連の施設が襲撃されたり、閉鎖したりしたので、渋谷などの都心でも空気はとても綺麗だ。

(何時間眠っていたんだ俺は?)

起き上がると、すぐ近くにあの少女が眠っていた。

(やっぱり怪我はしてなかったか・・・)

ホッとすると、気配に気づいたのか少女が目を開けた。

「おいお前、大丈夫ーーーー」

「大丈夫です。」

「お、おう。」

さっきまでは気づかなかったが、この少女・・・

(白い髪に、青と赤のオッドアイ!?・・・ラノベレベルだな。)

そんな青年の表情を察したのか、少女が口を開いた。

「・・・私は、あの化け物達が住んでいる世界から来ました。私達の世界ではこの世界では無いとされていた魔力などが存在しています。こうしてあなたと話せているのも魔法の効果です。」

「確かにアニメとかでは普通に異世界の人々とは自分の世界の言葉で話しているよな(汗)・・・ああ!!」

いきなり素っ頓狂な声を出す青年を訝しげな顔で少女が見つめる。

「集落戻んねーと!」

そう、見回りの係・・・つまり青年が帰還する時間はとっくに過ぎている。

「あのくそったれ教官の性格からすると・・・説教3時間ルートか・・・。」

ブツブツ呟いている青年のことを暫く見ていた少女。しかし思い立ったようにこう言った。

「まあまあ、いざとなったら私が洗脳・・・じゃなくて記憶改竄魔法使ってあげますから。」

「おい!今お前とんでもねー事言いかけなかった!?」

そんなことを言い合いながら二人は集落を目指し歩き始めた。

「あ、それと私、向こうの世界でも{異能者}っていう・・・いわゆる魔力の特異体質なんですよ」

「{魔力の特異体質}?なんだそりゃ?」

「この世界のアニメとかの常識(よく知らないけど)で考えて、私が先ほど見せたハチャメチャな大魔法を私みたいな年齢が息切れ一つ起こさずに使えると思いますか?」

ニコニコしながら少女が問いかける・・・が。

「思う。」

この即答である。まあ、昨今のライトノベルや、漫画などでは案外主人公よりも主人公の幼なじみや、妹(いずれもロリ体型)などの方が力を持っている場合が多い。

・・・しかし少女には目もくれず、空を見上げて青年は自分の趣味の一つである星座探しをしながら問いに即答するのはどうかと思うが。

「えっ・・・ええ?」

おどおどしている少女をよそ目に青年はどんどん歩く。

数分歩くと、気を取り直したのか、もしくはその生意気な態度を崩してやろうと思ったのか(十中八九後者だと思うが。)再び話を始めた。

「ええっと、私はですね、向こうの世界で普通の村の普通な家庭に生まれたんですけど、6歳くらいの時に{異能者}ということが分かって・・・それで研究のために軍の施設に住んでいたんですけど、あまりにも退屈なんで一年に一回の、軍が魔物とか不法入国者から人々を守るために張っている魔力結界(許可した人間などしか通り抜けられない。ワープ魔法でも許可した人間じゃないと弾かれる。)の検査の時にワープ魔法使ってこっそり抜け出したんですけど、軍はいろんな魔力兵器とか使って追ってくるんで、よっぽどの魔力を持ってる者しか使用できない{時空ワープ魔法}っていうのを使って魔力が続く限り時空の狭間を行き続けて・・・この世界に来たんです。」

「ソーナノカー(棒)・・・おいやめろ、悪かったから。魔力の光を出しながらこっちに手を向けるな!」

「だったら真面目に人の話聞いてくださいよ!」

「きっ、聞いてるよ!」

「嘘つかないでくださいよ!目が泳いでますよ?!」

「黙れ貧乳!!」

「貧乳はステータスです!希少価値です!!」

「嘘だッ!!!」

・・・なんで少女はこの台詞知ってるんだ?

そんな作者の疑問も星空に溶けていく。

「もうさっさと元の世界帰って自首しろ!魔法でそのまな板みてぇな胸大きくしてくれるかもよ?」

「・・・マジですか?」

「ああ(知らねーけど)。だから帰れ。」

「だが断ります。」

「ああそうかいコン畜生ッ!!」

この二人にはきっと大量の困難が襲うだろう。しかしきっと乗り越えていくだろう。

「はぁ・・・もう分かった。勝手にしろ。」

「じゃああなたの家に滞在するので・・・まさか、か弱い乙女を一人でこの魔物まみれの廃墟の町に置いていくなんてしませんよねぇ(笑)」

「F●CK!!」

この二人はこの世界でどうなったかは作者である私も知らない。そして知りようがない。だがきっと下らない口げんかをしながら幸せにしているだろうーーーーーーーーー

END

実はこの作品、小3とか小4の時から考えている超長編作品の布石が多く入っています。今度から連載しようと思っているので、よろしくお願いします!

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