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転生怠惰譚~ゆるゆると生きてたい~  作者: おばあさん
第一章~転生して良くも悪くもめんどうくさい~
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閑話 〃 ―②

今度は五~七話でございまーす。

「ぶ~」


 えーっと。

 私ルンヴィは、ミルイニから不興を買いましたっス。

 理由は分かってるんっスけどね。


「なんで」


「なんでって言われてもっスね」


「なんでルンヴィはベルとお話しできるの」


「そりゃあ私は謹慎じゃないからっス」


「なんで私はお話しできないの」


「そりゃああなたが謹慎だからっスよ」


「なんで私は謹慎なの」


「自分の胸に手を当てて考えるっス」


「……む~~~」


 まあその豊満な胸に手を押し当てたいのは私とベル坊っスけどね。

 ベル坊なら埋もれたいとか言いかねないっスけど。


 それはさておき。

 なんでこう突っかかられてるかっていうとっスけどね。

 洗礼の後によく祈りに来るようになったベル坊に私が話しかけたからっス。


 オーシアンの教会の主祭神はミルイニで、副祭神は私なんっスよね。

 だからお話ぐらいなら私でもできるんッスよ教会でなら。

 で、ちょろ~ってお話したらこのざまっス。


「う~ら~や~ま~し~い~」


「どーどーどっ……」


 そんな可愛らしく首を絞めるんじゃないっス。

 アンタの腕力見かけによらずシャレにならないっスから。

 色々な意味で昇天するっスから。

 ここ一応天界っスからもう天に昇ってるっスけどね。


「ねえルンヴィ。代わって?」


「謹慎がわるっで斬新な発想っズね」


 でも無理っス。

 私が良いとか言う以前に、最高神様が許してくれないっスわ。

 でも、このままだと私が死んでしまうっスからね。


「じゃー、メッセンジャー!」


「?」


「メッセンジャーならしてあげるっス!」


「……いいの?」


 これなら話し掛けても問題ナッシング。

 それでミルイニも満足。

 一石二鳥っス。


「まあしょっちゅうってわけにもいかないっスけど。なんか伝言あったらちゃんと伝えるっスよ」


「……ルンヴィ」


「?」


「……ありがとう」


 ハイ惚れた。

 私彼女に惚れた。

 存外私もチョロいっスわ。


「じゃあルンヴィが前に言ってたように、ベルのこと知りたいから……」


「はいはい」


 距離を詰めてく感じっスね。

 交換日記とか、手紙のやり取りみたいっスね。

 神様相手で仲介役神様っスか。

 ベル坊の好待遇っぷりぱねえっスわ。


「あ、あのね」


「はいはい」


「す……」


「す?」


「好きな女の子のタイプはなんですかって……」


 ちょいちょいちょいっス。

 落ち着いてよマイフレンド。


「あのねミルイニ」


「えっ」


「距離を詰めてくってのはね、そうじゃないから」


「そ、そう?」


「もっとこう、会話みたいなのをね? 折角メッセンジャーやるんだからさ」


 もっと会話をしてくれって思う。

 ……思うっス。


「でも、どうしたらいいか分からなくて……」


「そうっスねー」


 会話のようにするんだったら、やっぱあれっスよね。


「今まで何してきたかとかが無難じゃないっスか?」


「えーでも、ベル教えてくれないし……」


 そう言えば、ベル坊は自分がなんだったかを話したりはしてくれないんだったっスね。

 でも、何か印象的だったことを聞く程度なら大丈夫だと思うんっスけど。


「だからやっぱり、好きな女の子のタイプを……」


「せめて他ないっスか」


 聞くならそれ以外で。

 というかべた惚れされてんだから、ミルイニはそのままで良いっスよ絶対。

 それにベル坊、どんな女の子でも好きそうっスからね。


「じゃあ好きな動物……」


「すげー一気に幼児化したっス」


 まあ女の子のタイプよりはマシっス。


「じゃーそれで行くっスー」


「お願い……あ、そうだ」


 お、何っスか?


「あんまり色んな女の子に手出しちゃダメだよって言っておいて」


 なんでだろ。

 それが一番、伝言でまともな気がするっス……。




~ 数日後 ~




「ルンヴィ」


「なんっスか」


「ベルがね海に来るの」


「ほうほう」


「でもね」


 あ、その続きなんとなく分かったっス。


「――他の女の子の水着ばっっっかり考えてるの!」


 ですよねー。


「まあ……ベル坊っスからね」


「どうすればいいと思う!?」


 どうすれば、ねえ。

 あのおっぱい魔人はどうしようもねえと思うっスけど。


「あのね。私とっても怒ってるの」


 おっと何も言ってないのに勝手に喋り続けてるっス。

 ここは静聴するのが吉っス。


「ダメだよって伝えても全然自重しないし」


 ……実は最初の頃は全く伝えてなかったのナイショっス。


「それに加えてあんなにシスターの水着ばっか想像するし!」


 ありゃ~。

 ミルイニ、カンカンっスわあ。

 じゃあここは一つ、水を差してやるっス。


「じゃあミルイニも水着になるっスか?」


「それ誰が見るの? バカなの?」


 冗談のつもりだったんっスけどここまで辛辣に返されると思わなかったっス。

 水を差したと思ったら、火に油だったとはこれいかに……何も上手くないっスね。


 なんか『一回死ぬ?』って視線を送られてるから、ちょっと真面目に答えるっス。


「水着はともかく……まあ、とりあえずベルの目を奪うのがいいっスね」


「……目を奪う?」


「そうっス。謹慎中でも、管轄区域の管理は平常通りにやってるっスよね」


「うん」


「それで、ベルが海に来る時に偶々、オーシアンの海がすっげー天候に恵まれたりして、海がチョー綺麗に見えちゃったりしたら……」


「し、したら……?」


「ベル坊が、水着の女の子のことなんて忘れて、海に見惚れちゃうかもしれないっス」


「……」


 ぽかん。

 口開けて数瞬、ミルイニは手を打った。


「それだっ」


 勢いよく立ち上がるミルイニ。

 その弾みでバルンと揺れるスーパーおっぱい。

 グレイト。


「他の子に現抜かす前に、私をまず見てもらう!」


「よーしよしガンバレー」


 やる気が出てくれたとこで、私はお暇っス。

 あまり長居すると、巻き込まれかねないっスから。

 良いものも見れたっスからね。


「ルンヴィ!」


「?」


「ありがとう!」


「いえいえー」


 去り際にお礼を言われて、ちょっと顔が綻んだっス。




 ☆




 そして当日。

 私は話しかけないで、ミルイニを遠くから見守ってるっス。


「……」


 当のミルイニは真剣な面持ちで下界を眺めてるっス。


 ~数分後~


「……っ」


 ミルイニ、ガッツポーズ決めました。

 作戦成功っスかね?

 うわ~。

 とっても嬉しそうっス。


 でも、まだ話しかけないっス。


 ~数時間後~


 はいはいはい。


 ミルイニちゃん拗ねておりますっス。


 まーね、頑張ってもね。

 流石にずっとってのは無理っスからね。

 いつも通りの体育座りっス。


 ……心なしか涙目っス。



 ――ん?


 なーんか森が騒がしいような。


 ……っべえ!?


 やばいやばいちょっと待って!


 一旦退散!


 たいさーん!!!




 ~下界時間夕方~



 いやー魔物が森から出てった時はどうなるかと思ったっスけどね。

 下界の人が頑張ってくれて被害は皆無で済んだっス。

 おかげで海が閉鎖、なんてこともなく通常運行っス。

 ……終わってから一時間ほどここに来る勇気は出なかったっスけどね。

 まあでも、もうそろそろいいかなって思うっス。


 いざ、話しかけよう――としたら。

 急にミルイニの顔が真っ赤になったっス。

 それはもう、顔中どころか首まで真っ赤になって、恥ずかしそうだけどとても嬉しそうなオーラが溢れ出てるっス。

 先ほどまでの拗ねモードと涙目はどこへやら、顔に手を当てて冷まそうと必死っス。


「やーやーミルイニ。どーだったっスかー」


「ひゃああああ!?」


 わざとらしく後ろから話しかけてみると凄い悲鳴が。

 あ、楽しい。


「るるるるる、ルンヴィ!? いつから!?」


「いやーたった今っスけど」


 嘘っスけど。

 ビックリでちょっと赤みが引いたミルイニに、間髪入れずに尋ねるっス。


「今日、どうだったっスか?」


「え――」


 ボッ! と燃えるように瞬時に真っ赤になった海神ちゃんは、可愛らしく身を捩りながら私に言いました。


「……どうしよう」


「んー?」


「嬉しくて、怒るに怒れないよぅ……」


 この様子をベル坊に伝えて悶えさせようと、私は悶えながら誓ったのでした。




 しかし私の方はしっかり怒られましたとさ。

 ああ……私、ベル坊が羨ましいっス。

後々ルンヴィにそうぼやかれたベルの一言

「怒られるのもいいんじゃないかバカだなあ」




十一話、閑話その二、終話、エピローグで一章は終わるかと思います。

多分ですけどね。

終わるとか言ってますけど十一話以外なんも考えてねえっス!

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