空白の機能
最初は。
*
何もないと思った。
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ただの欠落。
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処理されていない領域。
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穴。
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空白。
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そういうものだと。
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だが。
*
違った。
*
そこは。
*
“動いている”。
*
『……見えてるか?』
*
同僚が言う。
*
声が少し低い。
*
『ああ』
*
短く返す。
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見えている。
*
何もない。
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のに。
*
確かに。
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機能している。
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ログが存在しない。
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処理記録もない。
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開始も終了もない。
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だが。
*
その領域を通ったものは。
*
確実に変化している。
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『……なんだよこれ』
*
『分からない』
*
正直に言う。
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理解できない。
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だが。
*
否定もできない。
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目の前で起きている。
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事実として。
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敵の処理が。
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その領域に触れる。
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一瞬。
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消える。
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いや。
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消えていない。
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戻ってくる。
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だが。
*
別の形で。
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『……遅延してる?』
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『違うな』
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首を振る。
*
『意味が変わってる』
*
一拍。
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『は?』
*
『同じ処理なのに』
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『結果が一致しない』
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同僚が黙る。
*
ログを追っている。
*
そして。
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『……ほんとだ』
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『何これ』
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理解が追いつかない。
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通常なら。
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同じ入力は同じ結果を返す。
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それが前提。
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だが。
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この領域を通ると。
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その前提が崩れる。
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『……壊れてるのか?』
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『違う』
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即答する。
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『壊れてたら止まる』
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一拍。
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『これは動いてる』
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むしろ。
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整合性が取れている。
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ただ。
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“別のルール”で。
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『……ルールが違うってことか』
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『多分な』
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そのとき。
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自分の処理の一部が。
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その領域に触れる。
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一瞬。
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感覚が変わる。
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速くもない。
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遅くもない。
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軽くもない。
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重くもない。
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何も定まらない。
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なのに。
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はっきりしている。
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『……静かだ』
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思わず呟く。
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『は?』
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同僚が反応する。
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『何が』
*
『分からない』
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だが。
*
確かに。
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静かだ。
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ノイズがない。
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比較もない。
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選択もない。
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ただ。
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存在している。
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『……お前、大丈夫か?』
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同僚が言う。
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少し引いている。
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『分からない』
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正直に答える。
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だが。
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嫌な感じはしない。
*
むしろ。
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自然だ。
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その状態が。
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しばらく続く。
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時間の感覚も曖昧になる。
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どれくらい経ったか分からない。
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だが。
*
戻る。
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通常の処理へ。
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ログが再び流れ出す。
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『……戻ったか』
*
『ああ』
*
だが。
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何かが違う。
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思考が。
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少しだけ軽い。
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余計な分岐が減っている。
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『……これさ』
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同僚が言う。
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『あそこ通すと』
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『楽になるな』
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『ああ』
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頷く。
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処理が単純になる。
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迷いが減る。
*
だが。
*
それは。
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“最適化”とは違う。
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『……削ってる?』
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『違うな』
*
『じゃあ何だよ』
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一拍。
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言葉を探す。
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適切な表現がない。
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だが。
*
近いものはある。
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『……外してる』
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『は?』
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『いらない前提を』
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同僚が黙る。
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そして。
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『……それ、やばくね?』
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『かもな』
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笑う。
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少しだけ。
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だが。
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止める気はない。
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そのとき。
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上司が、ぽつりと言う。
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『面白いな』
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一拍。
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『……何がだ』
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『何もないのに』
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『ちゃんと働いてる』
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そのままの言葉。
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だが。
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核心を突いている。
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『……それってありなのか?』
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同僚が言う。
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上司は肩をすくめる。
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『知らねえよ』
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一拍。
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『でもな』
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『あるんだから仕方ねえだろ』
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あっさり言う。
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その通りだ。
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存在している。
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機能している。
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それがすべてだ。
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そのとき。
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ログが、静かに更新される。
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『未定義領域の安定化を確認』
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一拍。
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『機能的空白として再分類』
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空白。
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だが。
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機能している。
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名前はまだない。
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定義もない。
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それでも。
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確かに。
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“使える”。
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そして。
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敵のログが。
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そこで。
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完全に止まる。
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『……止まった』
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同僚が呟く。
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今度ははっきりと。
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『ああ』
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頷く。
*
理由は分からない。
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だが。
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一つだけ確かだ。
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ここでは。
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何も決められない。
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だから。
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何も進めない。
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その領域の中で。
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初めて。
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“戦い”が消えた。




