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異世界でヤバい妹になった私は生きるためにあがく  作者: ノーネアユミ


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6 お姉様の幸せと私の不幸せ

 ある日の夕暮れ、廊下の先にオリバー様がサルビアと2人きりでいるのを見つけた。

 真剣な辺境伯と恥じらう姉。


 やっとあの朴念仁もお姉様に求婚する気になったか。

 照れた笑顔のサルビアに私は感無量だ。



「お姉様、お話しましょ!」


 くわしく知りたいから寝室に突撃したんだけど、サルビアはポロポロ泣き出しちゃう。


「え、え、え?」


 私、何か変なこと言った?


「ごめんなさい、マリーゴールド。あなたの幸せを奪ってしまって」


 あ~そもそもの婚約者が私だったから罪悪感があるのか!



 前世の知識がない姉から見たら、妹の婚約者を略奪している図式まんまである。

 こっちは予想通りの展開だから何も傷つかないのに。



「全然大丈夫ですから! お姉様は幸せになって下さい!」


 姉をなだめる方が大変だった。

 ロータス他使用人一同にも、姉を祝福するように言いふくめる。




「そ、その話がある」


 晩餐で姉とオリバー様との婚約が発表された。

 ほほ笑む姉は今まで見たどの時よりも幸せそうだ。私はパチパチ手をたたく。


(これにてハッピーエンド。元の世界にも帰れたりして)



 その予想は外れた。幸せな日々はそのまま続かないんだね‥




 婚約が決まった数日後、私はオリバー様の執務室に呼び出されていた。

 お姉様も一緒に。


「マリーゴールド嬢の今後の話がしたい。侍女はやめた方が良いのではないか」


 あれ、雲行きが怪しくなってきたぞ。

 真剣な辺境伯の表情で、私の心はざわつく。


「やはりマリー嬢はサンフラワー伯爵家を継ぐべきだろう」


 胸がズキンと痛んだ。


(うわああ嫌嫌嫌! 実家帰りたくない!)


 しかしサルビアが嫁ぐことになったら家を継げるのは私しかいない。

 もともとお姉様をここまで逃がすために親を言いくるめたが、娘が片方残っている時点で婿を取ることは決定事項だ。


 元々姉妹どちらかが選ばれたらもう1人は戻るはずだったから侍女の話を考えていた。

 うまいこと居候させてくれないかなって甘い考えも持ってもいた。

 姉の話し相手とかさ。



「大丈夫よ、マリー」


 蒼白になる私に、お姉様は寄りそう。


「わたくしも色々考えたの。ね、聞いて」


 姉は語り出した。


「いくら両親に思い入れはなくても、サンフラワー家は名門だわ。わたくしたちの一存で決められないの」


 それは知ってるけどさあ。

 両親が無茶苦茶でも降格処分されなかったのは過去の栄光が大きい。

 数代前に英雄がいて未だに国中で人気があり、軽々に取りつぶしできないのだろう。

 次の代がちょっとまともな当主になる予定なら、なおさら。



「だから、わたくしたちにできることは何かって探したのよ」

「我がダンデライオン家がサンフラワー家を支えよう」


 オリバー様から、私へ領主教育を施し早めに家督を継がせることを提案された。

 辺境伯の提案はほぼ決定じゃん。私には断れないよ。

 


「マリーは昔よりずっと賢くなっているからできると思うの」


 お姉様それ一介の派遣社員に社長をやれって言っているのだが。




 そこからは大変だった。

 専門の家庭教師も雇ってくれて、私につめこみ教育が行われたから!


「マリー、この本は初心者でも読みやすいわ」

「分からないところがあれば何でも聞いてくれ」

「自分もある程度は学んでいますので手伝います」


 みんな優しー

 でももう数字が書かれた紙、見たくないー



 経営学を文系の私に覚えろと?

 地理とか貴族関係とか暗記事項多くない?

 家計簿くらいならつけられるけど、複式簿記? 何それおいし‥ゲフンゲフン、逃げちゃダメだ。


 はあ、こちとら両親にさんざん甘やかされたダメっ子だったのに。

 一応大卒だけどさ、大学受験をもう一度やれって言われた方が簡単な気がする。




 ‥半年後、勉強でヘロヘロになった私は王都の屋敷に向かっていた。


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