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異世界でヤバい妹になった私は生きるためにあがく  作者: ノーネアユミ


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5 朴念仁と説明係


 夕食はダンデライオン伯と私たち姉妹の3人で食べた。


 席順がおかしい。

 私の隣にお姉様なのはともかく、オリバー様が私なんかの正面に座るのは納得できない。ヒーローの正面はお姉様じゃろがい。


 イケメンをじっくり拝めるのは嬉しいけどさ。


(まつ毛長い。手もキレイ。服を着ていても分かる筋肉‥いやいや、気を確かに持たなきゃ。とっとと婚約者を交代してもらうのよ、私)


 先ほどの話を当主にも切り出した。



「それもこれから検討しよう」


 チッ気が利かない奴め。とっととお姉様に惚れやがれ。

 お前見た目だけなのか、ああ?

 心の仲で毒づいて肉をほおばる。

 実家の食事よりうまい。高い肉なんて久しぶりじゃん。


「お姉様はいつも1人でお食事をしていたのに所作が美しいわぁ」

「ありがとう、学校で勉強したの」


 とにかくもうここぞとばかりに姉をアピールするのみよ。

 化粧は軽めに済ませたけど、それだけだってサルビアはかわいい。

 きちんと向き合いさえすれば絶対惹かれるはずなのに。


「お姉様が辺境伯様と夜会に出かけたらさぞ素敵でしょうねぇ」

「マリーゴールド、そんなこと言ったらダンデライオン卿がお困りになるわ」


 いや、そのダンデライオン卿は無表情ですけど。


(この朴念仁が)


 まあ姉が冷遇される気配はないので、今のところは許してやろう。

 まだ来たばかりだ。2人の仲を深める時間はたっぷりある。




「サルビア様は自分がご案内いたします」


 食事の後、執事のロータスがお姉様を客間に連れて行った。


(ロータス‥サルビアに片思いするんだよな~)


 私は彼の出演シーンを思い出す。

 彼はいわゆる説明キャラだ。


「ご主人様は若い女性とのかかわりがあまりなく、そっけない態度を取りがちなのですよ。どうかお気になさらないで下さい」


 にこやかにサルビアと話しながら客間に向かっている。



 原作でもそうだった。

 悪評まみれのサルビアにも辺境伯家の内情を親切に教えてくれる。

 サルビアの魅力に一番先に気がつくのだけど、彼女が主人と思い合っていることに気がついて身を退くの。


 物語の後半で「幸せにしないのなら自分がさらいますよ」って辺境伯に食ってかかるシーンなど、ときめいて繰り返し読んだものよ~



(ふむ。姉幸せエンドのためにはこっちでもいいじゃん)


 ウンウンとうなずく。

 私は当て馬とか噛ませ犬の方にキュンキュンするタイプだったからね!

 




 ともかく辺境での日々が始まった。



 オリバー様はこちらの意をくんでくれて、私の部屋も客間に移される。

 形だけでも私とお姉様が女主人の座を争っているって感じ。

 計画はうまく進んだようね。



 冷遇なしのスタートだから2人ともお腹いっぱい食べられる。

 味付けは大ざっぱだけど素材が新鮮だから野菜も魚もおいしい。わらわは満足じゃ。


 私はお姉様に頼んで、この世界の知識を教えてもらった。

 侍女になるにせよならないにせよ知識は武器だ。身に着けるに越したことはない。


 で、書斎で本を借りると、時々オリバー様との交流ができるのだ。

 これは原作知識から。

 ふふふ、お姉様との接触を増やしてもらおうか。



「君の領地では養蜂が盛んなのか」

「こちらでは牛より羊が多いですね」


 領地の話で2人が盛り上がる。狙い通り!



 時々ロータスが加わり私も経営術の手ほどきを受けた。


「どちらが辺境伯夫人になるか分かりませんからね」


 生暖かい目線に支えられて、私も基礎の基礎はなんとか理解したよ。

 これならお姉様の補佐くらいは可能。



 時には実家から手紙が届く。

 縁談の進捗を聞き、サルビアを戻すよう促してくる。

 伯爵家の仕事を押しつけていたお姉様がいなくなって大変なのね。


「お姉様はもう私のなので返しませーん」

 返事は書くけど言いつけは聞かない。


 サルビアへの手紙が来ることもあったけど、やはり戻ってこいと命令していた。

 お姉様が見せてくれた手紙には金の無心まである。

 婚約者の家に援助しろ的な。


(そんなの無理でしょう)


 私は奴らの面の皮の厚さにあきれ返った。


 もうお姉様は以前の様におどおどしていない。安定した環境が彼女本来の能力を引き出している。

 自分に自信を持って親の催促を断っていた。



 しかし虐げた方の娘が辺境伯夫人になったら、あの人たちはどう接するのかしら。

 

 そう、姉の良縁はほぼ確定なのよ。

 最近はオリバー様のお姉様に向ける視線がどんどん甘くなっているのだから。



 お茶会で指が触れ合ってすぐ離すとか、その後顔も見られないとか。


 そしてそんな2人を見守る執事。

 暖かくもちょっと寂しそうな瞳のロータスを見ていたら目が合った。彼の悲し気なほほ笑みから失恋が伝わってくる。


 もうごちそうさまです!

 あははは、ヨダレ出そう。悶えるのは寝室へ戻ってからにしなくちゃ。



 そんな私だけど、いつまでもジレジレだけじゃ満足しないのだよ。

 次、次の展開をよこせ。


「オリバー様とロータスさんだったらどっちが好み? お姉様としては」


 サルビアと2人の時に聞いてみたけど、彼女は顔を真っ赤にしていて答えてくれない。

 ま、時間の問題だろうね。グフ♡


 キャラ設定


 オリバー・ダンデライオン  異世界恋愛に良く生息しているイケメンキャラ 警戒心が高く無口だが心を開いた女性にだけは甘い傾向を持つ 


 ロータス(家名未設定)  無口イケメンの周辺に出没する友人キャラ イケメンとは共生関係であることが多い 性質は穏やかで目立たない

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