3 お姉様に取り入りましょう
「なぜわたくしまで‥」
執務室に呼び出されたお姉様は困惑している。
でしょーね。
小さなころからお姉様の物が欲しいの、とは何回も言ってきたけど。
まさかお姉様その者を欲しがられるとは思ってもいなかっただろう!
(いかにも絵にかいたようなドアマットヒロインだな~そしてそれでも分かる美しさ。どれだけポテンシャル高いんだよヒロイン!)
少々くすんではいるが豊かな金髪。キラキラ輝くブルーの瞳は大きいしまつ毛も長い。
やせ過ぎだけど背は私よりちょっと高かった。努力家だから姿勢や所作にスキもない。
「マリーゴールドちゃんの願いだ。感謝するんだな」
両親の説得が済んだ後は姉サルビアの生活改善だ。
姉は屋根裏の寝室でダメ親の書類を整理している。
子供の頃は同じ部屋で過ごしていたはずなのに、いつからか子供部屋が私の部屋になり追い出された姉は屋根裏で寝起きするようになっていた。
そのあたりから姉はやせ始め、今はガリガリだ。使用人が残した食事しか食べられないから。
「お姉様がやせ細っていたら私が太って見えるじゃない」
そう言って白パンや肉やケーキを乗せたお盆を部屋に届ける。
食堂で一緒に食べるのは毒親もいるしあきらめた。
「お姉様、お邪魔しますね」
台所から屋根裏へごちそうを乗せたお盆を運ぶのは超きつかったよ。
二の腕パンパンだね。
「え、マリーゴールド?」
お姉さまは蒼白になって震えている。
(うわ警戒されてる。今までの悪行があるから自業自得だけど!)
今までさんざん冷遇していたのだから手のひら返されたら困るだろうけど。
ちゃんと今の私がこれまでとは違うことをアピールしなくちゃ!
「お姉様、いつもひどい扱いをしてごめんなさい。私心を入れ替えたの」
実際は別人だけどな。
「これ食べて。あ、毒とか食べられない物は入っていないから、嫌がらせじゃないから。は、まずは私が毒味をすればいいのね!」
あせる私にサルビアはおずおず手をのばす。
「ありがとう、おいしいわ」
小声でお礼を言われた。
「えへへへ」
パンをほおばるサルビアに、私の顔もゆるむ。
「お嬢様、わたしが持ちますので」
2回目からはメイドが手伝ってくれた。助かったーお盆クソ重かったからね。
でも私だってパンの籠を持つくらいはするよ。
お姉さまに恩を売るのが目的なのだから。
そうそう、お姉様の部屋は屋根裏なので寒い。
「お姉様がカゼをひいて同行できなくなったら困るじゃない」
私は自室から毛布を運び出して固い寝台にのっける。
ショールやコートも押しつけた。
私の部屋にはあふれるほどあるのだし。
それにお姉さまはいつもボロいお仕着せしか着ていない。着替えも1着しかない。
「お姉様には私のそばにいて欲しいんだから、みっともない恰好はさせられないわ」
私の服から、シンプルで上品なドレスを選び、侍女に直させる。
背は同じくらいだけど、横がね。
侍女はウエストと袖を細くしている。
解せぬのは胸だけはそこまで縮めなかったことだ。
(サルビア、やせすぎなのに胸だけあるってチートか)
執事や侍女頭にも念を押した。
「お姉様はこれから私の専属になったの。意地悪できるのは私だけの特権だから、あなたたちには禁止するわね」
「マリーゴールドちゃん、サルビアなんかにそこまでしなくても良いのよ」
私だけかわいがりたい両親は不満顔。
計画を悟られないように、私は笑い飛ばす。
「ええ~お姉様はもう私のモノなんだから、私の好きにしても構わないでしょう」
少しずつ、お姉様の体はふっくらしてきた。
ガリガリからスレンダーへ。ドレスのタックも1つずつ外される。
メイクしたら絶世の美女に変身するんだろうな。
そして1月後、私とサルビアは辺境に旅立った。
もしそれなりに楽しめましたら、ポイントやブクマをお願いします。(^人^)




