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異世界でヤバい妹になった私は生きるためにあがく  作者: ノーネアユミ


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15/20

15 リクルート?

 マリーゴールドの視点に戻ります。

 朝だ。目が覚める。

 昨夜のことはしっかり覚えていた。



(あああ、私ロータスさんと)


 あれって本気なのだろうか? それとも夜会効果のハイテンションで突っ走っただけ?



 ちゃんと話し合わないと。




 朝食の席のロータスさんは目の下にすっごいクマを作っていた。

 はい、私のせーいー


「これからちょっといいですか」


 私は朝食後執務室に入ると同時にロータスさんを呼び止めた。


「もちろんです」


 彼の顔は固い。緊張しきっている。

 昨夜の話を片付けないと。



「ええっと、私ロータス卿には我が家にずっといて欲しいんですけど、嫌じゃありませんか」

「まさか、喜んで拝命いたします」


 まだ固さが取れない。

 これではただの転職話じゃないか!



「その、夕べのあれは‥」

「申し訳ありませんでした!」


 私が切り出す前にロータスさんがヒザをついて謝ってくる。


「自分、調子にのりすぎました。お嬢様に不埒(ふらち)な思いを抱いたこと、心よりおわびいたします。これからは一切行わないよう気を引きしめますので、どうかお側においてください!」



 く、やはり気の迷い的なやつか。

 だけど‥不埒な思いを抱いたってことは、異性として意識されているってことだよね。


 ええい女は度胸だ。


「そこまで気を引きしめることもないんじゃない?」

「お嬢様?」


 私はおずおず手を差し出し彼の肩に手を置いてみる。


「私は嬉しかったのだけど。たまにならハグしても構わなくてよ」



 ロータスさんは目を丸くしている。


「それはつまり‥親愛の意味でしょうか? しかし自分はその、もっとやましい気持ちでして」


 男性だしそれは理解できるけれど、聞きたい言葉はそれじゃない。

 私はもう一歩踏みこんだ。


「それってやましい気持ちだけなんですか? 私のこと‥もしかして好きだったりしません? 恋愛的な意味で。妹とか友達としてじゃなくて!」


 恐る恐る問いかけた。

 間違っていたら恥ずかしさで死ねるかも。

 

 ロータスさんは真っ赤になって私を見上げる。


「そんな顔で見ないで下さい。かん違いしてしまいます」



 キャー! 『かん違いしてしまいます』キター!

 恋愛小説で良く読むあれじゃ~‼


「す、すればいいじゃない。私ならかまわないんだからね」


 あ、ツンデレってしまった。



「よろしいのですか‥良かった。ただの身代わりでも大丈夫です。自分の心を捧げさせて下さい」


 ん?


「あなたが誰を慕っていても、この気持ちは変わりません」


 言いたいことは伝わったけど、言っていることがちょっと分からない。



「へ? 身代わり? 慕っているって誰を? あ、そりゃ昔は色々ありましたけど今は別に」


 思っているのは目の前の男性だけである。


「いつもあなたはオリバーを見ていたじゃありませんか。気がついていないとでも?」


 悲し気な彼に、私の目は丸くなる。


 確かにオリバーのことは良く見ていた。きれいな顔を見るのは好きだから。

 まさかそれを誤解しているのか?


「オリバー様は完全に観賞用でしてよ。え、私はずっとロータスさんねらいですけど‥ロータスさんが好きなのってお姉様じゃ?」


 ロータスさんは瞬きをくり返す。


「まさか」


 彼が嘘を言っているようには見えなかった。

 もしかして私が物語を変えた成果?



 やったあ!

 だったら遠慮なんてするものか。


「す、好きです結婚してください!」


 がばっと抱きついてみた。

 彼の腕が私に回され、彼の声が私にささやく。


「愛しています。自分で良ければ一生側にいさせて下さい」

 


 信じられない。

 なにこれ超幸せ。

 ロータスさんになら触られても嫌じゃない。

 もっと触って欲しいし自分からも触りたい。



 彼の顔は目の前だ。私はそっと瞳を閉じた。


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