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同じ空の下で  作者: 桜油
5章
63/140

57話

こんにちは。


今日からは汐宮宥視点です。


では、どうぞ。

昨日の作戦会議のあと、私だけ唯笑ちゃんから呼び出された。


いつもこういう大事な話は唯笑ちゃんと怜くんの2人で、時々提督、椎名さん、拝郷さんなど交えて会議していて、私たちには事後報告になることが殆どだったから、私だけ呼び出されるのは新鮮だった。


唯笑ちゃんも怜くんも、私や有希くん、紗季ちゃんを、『前回』から続いている問題に関することには極力巻き込まないようにしてくれている。

提督、椎名さん、拝郷さんといった周囲の大人たちは私達がまだ心身ともに未成年だからか汚れ仕事をさせることもそういった話をすることもないし、その点執行さんは遠慮こそないものの、先輩として裏で生きていくのに必要なことを実践して見せてくれていた。

私の進路が決まってからは、護衛で使いやすい魔術の運用とかについて時々論文を渡してくれたり、多分いい先輩というのは執行さんみたいな人なのだと常々感じている。

そうやって接してくれるから、この6年間はとても充実して、幸せだったと思う。

全て終われば私は『JoHN』を抜けて舞月財閥に就職する手はずになっている。愛ちゃんが、その仲間たちが再三舞月財閥へ交渉してくれていたおかげだ。


……私の周りには、こんなにも優しい人で溢れている。

是非報われて欲しい。できることなら恩返しがしたい。私には何ができるだろうか。何をすれば、皆は喜ぶかな。


そう強く感じていたから、唯笑ちゃんのその誘いは渡りに船だった。

このタイミングでの呼び出し。十中八九、明日の『軍』本部防衛の件だろうと、そう当たりをつけて臨んだその会談で唯笑ちゃんから受けた指示はたったの1つ。


高式暁、城月育と接敵した際、城月育には決して攻撃しないでほしいこと。

城月育が生存且つ意識があれば、高式暁が死亡しても最悪の事態には陥らないから、とのことだった。


更に補足で、城月育が同伴していない場合は高式暁と接敵しても必ず生かすように。


勿論勝てなければ逃げて欲しいけど、といいながらそこまで心配していなさそうな唯笑ちゃんに、「彼の実力ってどんな感じなんですか?」と尋ねた。

ここまで色々忠告するからには『前回』の問題が絡んでいて、仕方なく私を巻き込まざるを得なかったのかもしれない。『教会』の幹部だから強いのは間違いないけど、万が一もないように確認しておきたかった。

そんな私の質問に、唯笑ちゃんは少し考えて、「んー。12年ちゃんと対面してないし正確な強さはわかんないけど」と前置いた。


「でも怜と同じくらい強いって思っていいんじゃないかな?」

「怜くんと同じくらい、ですか」

「うん。一旦そのぐらいと思ってていいよ……というか、さっきはとどめ刺さないでみたいな話したけど、多分無理じゃないかな。死んだように見えても絶対生きてると思うんだよねー」

「はあ……私が殺されないように立ち回らないとですかね」

「いや、その心配もないよ」

「どうしてですか?こういっちゃ何ですが、生きるか死ぬかの戦争だと思うのですけど」

「……うん、まあ。情に訴えるとかじゃないんだけどさ」


唯笑ちゃんはそう苦笑を浮かべながら、昔を思い出すように言葉を紡いだ。


「彼は間違いなく君を殺さない。だって、君は『前回』彼自身が命を張るほどの大事な仲間だったからね。君たちの為に繰り返すことを選んだと言ってもいいくらいには」


……今、私の眼前で。

唯笑ちゃんが話していた2人組らしき男女が、『軍』の魔術師を圧倒していた。

男性の方が攻撃してきた魔術師を沈め、女性の方が沈んだ魔術師を縛り上げている。縛り上げる以上殺してはいないみたいだから、なるほどたしかに私のことも殺さないかもしれない。けれど、傷つけられていることには変わりないし、唯笑ちゃんに任されてここにいる以上、引く気はなかった。


男性と目があった。


暫く沈黙が流れた後、先に仕掛けたのは彼だった。


彼はナイフを片手に『身体強化』で私に突進してくる。私は手始めに『停止』を略式で展開、起動する。

怜くんと同等の実力であれば、この魔術の影響下でも難なく動ける筈。そう思っての行動だったけれど、彼はあっけなく停止した。

首を捻ったが、油断できないよね、と気を取り直し、容赦なくナイフを数本心臓めがけて投擲した。

あっけなく心の臓の深くまで刺さり、彼は力なく地に伏せた。


首を更にひねった。


唯笑ちゃんの警戒のしすぎだったんだろうか……いや、彼女がいる以上復活するかもしれない。

しかし彼女も動き出す気配がない。


もうこれ以上首を傾げることなどできないほどにひねった。


いや、私に警戒していてすぐ蘇生できないだけかも、と何度目かの現実逃避をしてみたけど、だんだん、『唯笑ちゃんとの約束を破って殺してしまったのかもしれない』という罪悪感が迫ってきた。

なんせ、殺してしまうと何が起こるのか、どうして生かす必要があるのか、私は全く聞いていない。唯笑ちゃんに聞くに聞けなかったというか、そういうのは怜くんが最初に聞くべきというか……何はともあれ、遠慮した結果、今のこの状況が唯笑ちゃんにとって即詰みなのか、詰みではないけどサブプランのようなものに移行を迫られるようなものなのかがさっぱり分からない。


唯笑ちゃんに現状報告して判断を仰ごう。その発想に漸く至り、唯笑ちゃんとの連絡を試すも交戦中なのか通じず。怜くん……がこの状況がどうマズイか説明できる保証もないし……ああ、仕方ないから一旦持ち場を離れようか。


彼の遺体?から目を背けた瞬間、背後から強い光が生じた。


は、っとして振り向くと、そこには無傷の、先程絶命した筈の彼が立っていた。


呆然とする私に構わず彼は再度ナイフを片手に突進し、私めがけてナイフを突き出す。すんでのところで右に体をずらして避ける。すれ違いざまに彼の瞳が紅く輝いた。私は背後に跳び、『魔力撃』を複数展開して弾幕を貼る。彼はすぐ体の向きをこちらにあわせ、跳躍しながらナイフで斬り掛かってきたが、『停止』を起動して動きを止めた。私も鋏を複数投擲し、『停止』を解除する。彼は何の抵抗もなくまた蜂の巣になってその場に落下したけど、今度は数瞬の間に死体が消えて、また彼が元来た方向に佇んでいた。


「まるでゲームのセーブポイントのようですね。残機にしては生死に頓着がなさそうです」


思わずそう呟いた。彼は肯定も否定もしないけど、なんとなくそんな気がした。


原理は不明だけど、城月育が不在でも復活できるなら、何も気に病まなくていい。ならば今私にできることは、とにかく私が生存すること、多くの兵を逃がすこと、少しでも多くの情報を唯笑ちゃん達にわたすこと。


そう肝に銘じていると、彼は暫く考え込んだ後に閃いたような顔をして、再度ナイフ片手に突進する。鋏を複数投擲すると、彼は射線上の、自身に命中するもののみナイフで弾いて、大きくナイフを振りかぶった。『停止』して鋏を投擲してから解除。頭にサクッと鋏が突き刺さって絶命した死体は直ちに消滅し、またスポーンする。

開始早々に『紅蓮』を展開、起動していたけれど、『停止』して立ち位置を入れ替えて再開。あっけなく燃え朽ちた。


その後も私が圧勝し続ける展開が続いた。

『障壁』で私の鋏や弾幕を防ごうとした様子だったけど、『障壁』の魔術式を『停止』中に書き換えて、私が起動した魔術式に係るものは透過するようにした。彼は刺し傷だらけになって死亡した。

『魔装』で拳銃を生成して連射していたけれど、彼の立ち位置を『停止』中に変えた。彼は蜂の巣になって死亡した。

『身体強化』で肉弾戦に持ち込もうとしていたらしかったけど、提督たちからの指導や舞月財閥での護衛ボランティアにおける経験を重ねたので体術は私も不得手ではない。『身体強化』と『停止』を駆使して返り討ちにした。

次第に彼は攻撃ではなく私から逃げたり回避に専念するようになったけど、私は構わず攻撃を続けた。『駒』を守る以上、逃げてから別ルートを模索されてはいけないし、別ルートは有希くんや紗季ちゃんがいる。2人が彼に確実に勝てるかは分からず、勝てたとしてとどめをさすかもしれない。それだけは避けるべき事態だった。

それに……ずっと祈るように手を組みながらも何も手を打たない彼女が不気味だったのもある。

もしかして、ここから逆転の一手があるのでは、と。


……そして、繰り返すこと数十回。


ついに、その時はきた。

そういえば、今日はポケモンデ―ですね。

ポケモン全世代やってるくらい好きなんですが、

一番好きなのは剣盾やXYあたりだったり。


年齢的にはDPPt世代ですけど、親からゲームを禁止されてたので…

完全に娯楽系を禁止にするの、教育には本当に良くないですよ。

私はがっつりその反動が来てますから。経験者は語るって感じ。


まあ、そんなことはどうでもよくて。

23時からの配信楽しみだなあ。

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