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同じ空の下で  作者: 桜油
2章
22/140

18話

こんにちは。


完全にネタ回です。

東京に住んでいる友人と時々オンライン通信で遊びますし、

職場の同僚とボードゲームカフェに行くこともあります作者です。

ソロプレイも、皆で遊ぶのも違う趣があって良いですよね。


では、どうぞ。

『軍』との交渉も5日後に迫ったある日、唐突にその提案はされた。


「ゲームしたいです」

「草」


汐宮らしくない言葉に、怜は動揺して、『前回』よく利用していた情報屋、拝郷のようにネットスラングを口にした。ちなみに現在、唯笑は毎度同じく夕飯の買い出し中である。


「何が良いでしょうか。私、ボードゲームがやりたいんですよ」

「それは草」

「ルドー?ってゲームを、6を出さないとスタートできないかつ相手のコマを追い越せない、追い越す数字が出てもスキップになるようなルールでやりたいですね」

「思ったより詳しいし、汐宮お前、死にたいのか」

「ちなみに『停止』を乱用すれば6しか出さないことも可能です」

「そして思い切り乱数調整……」

「そう思うなら城月くんも『循環』や『決意』でやりたい放題ですよ?」

「そんな多用できる代物でもないぞ。そして対抗手段がない唯笑にとってはクッソおもんないことは想像できるだろ」


と怜が止めると、「それもそうですね。じゃあ別のゲームにしましょう」とあっさり諦める。


「お、おう」

「じゃあ何が良いと思いますか?」

「じゃあヨット……は駄目だから、トランプはどうだ?」

「なるほど。では、ババ抜きはどうでしょう?」

「ああ、多分知ってるゲームがそれしかなかったんだろうというのは想像に容易いが、しかし2人でやるゲームじゃないのはわかるだろ。却下だ却下」

「失敬な、スピードとか大富豪とか知っていますとも」

「じゃあなんでよりによってババ抜きなんだ……」

「だって、スピードという名の魔術の早撃ち勝負は勝てる気しませんし、大富豪という魔術の応用における発想力も厳しい勝負になりそうですし……」

「草²」


ゲームを何だと思っているんだろうか?と怜が訝しむが、汐宮のボケ?はまだ続いた。


「ではこれはどうでしょうか。人生ゲームなのですが」

「ああ、やっとまともなラインナップが」

「ちなみに、私が普通の人生を想像して、城月くんたちの話を元に自作したものです」

「やっぱまともじゃなかったか」


怜が頭を抱えていると、唯笑が「ただいま。何の話?」と扉を開けて入ってくる。


「ああ、実はだな」

「真白さんも、ボードゲームしませんか?ルドーとかヨットとかスピードとか大富豪とか人生ゲームとか」

「うわ、よりによって俺が反対したものばかり挙げてる……」

「うん?いいんじゃない?道具もせっかくあるし、早速始めちゃおうよ」

「ああ、自ら地獄に。俺もう知らね。そして道具もあるとか前のここの住人は何してたんだ……?」

「そりゃ元は秘密基地なんだから遊びでしょ」


かくして、確信犯(汐宮)よく知らない被害者(唯笑)の賛成多数により、世にも地獄なボードゲーム大会が開催された。


例えば、ルドー。


「うわ、2人ともさっきから6しか出ないじゃん。え、すご」

「……そりゃ『停止』してサイコロの目を変えてるからな……『決意』多用できないから迂闊に止めに入れない以上誰求める人がいないからって好き放題してんな……うーん、この図々しさは間違いなく裏でやっていく才能だな」

「そういう城月くんだって似たようなことを『循環』でしてません?」

「いや、なんか何もしてないけど勝手にそうなるんだが」

「またまた。御冗談を」

「……本当になんでこんな6ばっかり出るんだ……?」

「……え、本当なんです?」


例えば、ヨット。


「またヨット出してる!?え、ずるくない?絶対チート使ってるでしょ!素直に認めなよ!」

「ちがうって!マジで勝手にそうなってんだって!」

「勝手になるわけないじゃん!『決意』をゲームに使うなんて大人げないよ!」

「『決意』も何も使ってないって!それを言うなら汐宮はどうなんだ!?」

「え、宥ちゃん?絶対白だよ、だって『停止』使ったにしても理論値より程遠いじゃん。使っててこれなら使い所間違いまくってるドアホだよ、違いない」

「クッソ、絶対チートしてるの汐宮なのに……なんでそんな信用されてんだよ」

「……ドアホです……」

「あっ察し」


例えば、スピード。


「よし、魔術は解禁で、でも『決意』禁止ね!」

「いや、最初から反則してるの汐宮だけだって……まあいいや。じゃあ始めるか」

「よーい、スタート!……すごいです、早すぎて何も見えなくて審判は無理ですね」

「「どっちが勝った!?」」

「見えなくて全然わかりませんのでパッションでお願いします」

「私の勝ちッッッっっ!」

「いや、お前の負けだ唯笑エエええええええええええええええええええええええ!!!」

「うわぁ、ゲームに本気になりすぎ……?」

「クッソブーメランぶっ刺さってるけど大丈夫か?」


例えば、大富豪。


「……これに全てを賭ける!通れっ!」

「1を2枚……なるほど、貧民らしくあがきましたね。はい、これ2の2枚です」

「ああああああああああ!!!……なんちゃって」

「はい……?ってああ!9の2枚に変わった!?」

「はーっはっは!『魔装』で数字を偽装した!お前は無駄打ちしたというわけだ!!!やっぱ『魔装』最強!」

「そんな、これじゃもう勝てない……都落ちする……」

「さあ、ゲームを始めよう。八切りしーの、これ3枚出しーの、2を2枚出しーの、3では汐宮都落ちおめっとさん!」

「なんで貧民なのに2を2枚持ってるんですか!?それをよこしてくださいよ!」

「いやジョーカーあげたし、汐宮お前、それ単体で使ってスペ3返しされてたじゃん」

「今日の怜、情緒不安定すぎない?」

「これは報いってやつだよ」

「なるほどわからん」


例えば、人生ゲーム。


「何このマス、『すげー魔術師に脳を焼かれた。1回休み』って。これさては普通の人生ゲームじゃないでしょ!?」

「今更気づいたか。そうだ、これは汐宮特製、『絶対普通じゃないけど普通を自称する人生ゲーム』だ」

「失礼すぎません?」

「「いやこのマスが何よりの証明だ」」

「いや、これは通りすがりの親切な方が語っていたエピソードを私なりに言語化したものです。彼は『普通の平凡な魔術師』ですから、これは間違いなく普通ですよ」

「思ったよりバタフライ・エフェクトやばそうで不安になってきたんですけど」

「奇遇だな。どうも俺達は一刻も早く親切な人(笑)を見つけてぶん殴らなきゃいけないらしい」

「さて、次は私のば……負けました」

「これまだ途中だよね!?もう負け確定するの!?」

「どれどれ……『自分のドッペルゲンガーに殺された。ゲームオーバー』人生ゲームのゲームオーバーってなんだよ?」

「これは普通じゃないですけど、普通のゲームはゲームオーバーが存在するので無理くり作ったマスですね」

「普通じゃないって認めた!」

「何でゲームオーバーを無理やり作った!?人生ゲームはむしろゲームオーバーがないのが普通なんだよ、なくて良いんだよ!」

「まあまあ、いいじゃないですか」

「納得いかないが……俺の順番が2連続か……あ、ゴール」

「早ッ!え、まだ序盤でしょ!?」

「あ、ごくまれにパチンコ並みの確率で100マス進めます」

「だからそれ人生ゲームじゃないって!」


そう騒ぎつつもなんだかんだ楽しみ、そうして今日も夜は更けていった。


「……」


陰鬱な表情で怜たちを眺める汐宮に気づくこともなく。

ネタ回と言いつつ最後ちょっと不穏にしてみたり。


評価、感想などいただけますと幸いです。

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