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同じ空の下で  作者: 桜油
2章
20/140

16話

こんにちは。

Switch2が今年4月2日に発売だそうですね。

Switchソフトとも互換性はあるみたいなので、私は購入の必要はあまりないんですけど……

そんなこと言ってポケモン新作がSwitch2専用で出たら大変なので、

横着せず素直に買いです。

(修正:発売じゃなかったです。directがあるだけです。)

では、どうぞ。

汐宮との邂逅を果たした夜。

汐宮が使用していた拠点に怜と唯笑がなだれ込むような形に図らずもなってしまった為、改めて怜と唯笑の滞在を許可するよう頼み込んだ2人だが、汐宮は怜の想像とは裏腹に、そこまで渋ることもなく許可をしたのにはさすがに2人して豆鉄砲をくらった鳩のような顔をしてしまった。


「どうしてそんな意外そうなんですか」

「いや、ついさっきまで殺し合いに近いことしてたし。一緒にいてあげるとは言ったが、流石に寝食共にするのは抵抗があるだろ?もう少しごねるかと思ったんだが」

「はあ。強引に追い出そうにも実力を考えると無理でしょう。それに、信頼にはまだほど遠いですが、貴方たちの先ほどの言動は信用には値すると考えています。そして何より、野ざらしになっている2匹の子猫がこっちに逃げてきて、それで追い出すっていうのは良心が痛むじゃないですか」


そうため息をついて汐宮が答える。「猫扱いなのね……」とげんなり唯笑が笑い、「むしろ信用に値するという評価が意外」だと怜が呟いていたら、汐宮が「あ、でも1つ条件追加します」と補足した。


「御二人は『軍』に加入するんでしょう?その時に私が貴方がたについていくのか、はたまた別れるのかは未定ですが、いずれにしろ魔術の基礎知識はあるに越したことはないでしょう。だから、『軍』に加入するまでの間だけで結構ですから、魔術について教えていただけませんか?勿論、別れることになっても、教わった知識を以て貴方がたに敵対するような行動はしないと約束します。また、私が自作した魔術についても情報を提供します」

「それは……むしろ願ったりかなったりだが良いのか?」


汐宮の要望は、怜にとってはメリットしかない話だった。怜が好きな魔術について存分に語れる相手が一時的に増えたことになるし、汐宮が使用していた未知の魔術についても興味がある。唯笑は思案しているようだが、怜に断る選択肢はなかった。

ダメ押しと言わんばかりに汐宮が「問題ありません。それに城月くん、貴方も言っていたでしょう。和解できれば語り合いたいと。それが早い段階から果たせるのですよ、ウィンウィンでしょう?」と話す。

怜が承諾の返事を返そうとしたところで唯笑が口を開いた。


「……まあ、私も戦闘の内容は気になるかな。うん、私も協力するよ」

「あ、唯笑としても問題ないのか」

「そうだよ?仲間になってほしいし、ならなくてもせめて幸せであって欲しいんだから、生存確率が上がる選択肢をとるよ」

「いや、考え込んでいたようだから」

「あー。いや、個人的に気になることがあっただけだよ」

「それにしたって結構深刻そうに見えたんだが。大丈夫か?」

「や、やだなあ。大丈夫だって本当に。気にしすぎだよ」

「俺も常々感じていたことだが、椎名も言ってたぞ。大丈夫って言ってる時ほど大丈夫じゃないタイプだって」

「綴ちゃん何でそんな事言うの?っていうか怜に私そう思われてんの?えっと、これは本当に大丈夫なやつだし、やばかったらちゃんと言うから、ね?」


そうやりとりをする怜と唯笑を見て、汐宮が少し呆けた後にジト目になった。


「えっと。話を戻していいですか?」

「「あ、ごめんなさい」」


閑話休題。


「とにかく。協力していただけるってことでいいんですね?」

「ああ。勿論だ」

「では、早速お願いします」


と汐宮はどこからかノートと鉛筆を取り出した。


「……早速?」

「ええ。思い立ったら吉日と言いますし。通りすがりの親切な方も、『桜坂市あたりで親切そうな男女2人に会ったら、頼るのも1つの選択肢だよ』とおっしゃっていました」

「やけに具体的な助言だな?」

「ええ。実は逃亡生活に疲れまして、少し休憩を考えたときに、この助言が桜坂市を拠点に選んだ決め手となりました。『魔装』や魔術式の基本的な組み方、法則、警戒すべき魔術師特有の技術も教えていただきましたし、あの方には足を向けて寝られませんね……」

「ますますその恩人が気になるなあ。魔術師界隈でそんな聖人いたっけなあ……?」

「いえ、今は私の昔話などどうでもいいです。学校の授業というのにも憧れていたんですよ、早く始めましょう」


と早口に急かす汐宮の目はそこはかとなく輝いて見えた。


「ああ、わかったわかった。じゃあ始めるぞ。今日は基本的な魔術だな」


という怜の言葉とともに魔術勉強会が始まった。


魔術は様々な種類があるが、魔術師どうしの戦闘において使用される魔術は意外と固定である。

むしろ、その頻出の魔術をどこまで応用を効かせるかが重要といえる。


『魔装』は魔力で武器を生成する。魔術師が使う魔術式では殿堂入りするぐらい、本当にどの魔術師でも使用する。武器を飛ばして遠距離攻撃するにも、爆発物を生成して投擲する中距離攻撃にも、当然近距離攻撃にもなんでもござれの、必須級の魔術。応用で自身のデコイ、分身まで生成できる。今は自律性をもたせようと研究している界隈がある。


『魔力撃』は魔力からできた斬撃、衝撃波を飛ばす。シンプルだが汎用性が高い。


『強化』は任意の内容のバフを指定した対象に付与する。大体は身体能力を強化するのだが、応用すれば体感時間を引き伸ばすことができる。『縮地』はこの魔術の応用で、現実の時間10秒に対し体感時間10分、という倍率で神経、脳がはたらいた結果、相手からは地面が短縮されたように感じる戦闘技術だ。


『障壁』は相手の攻撃を防ぐことができるし、『回復』はその名の通り負傷した箇所を治癒する。


『発光』は光を発するだけの魔術だが、『魔装』と合わせることで『影縫い』という初見殺しの戦闘技術が成立する。影に魔力を帯びた武器を刺せば、相手が『発光』などで影を一時的に消して範囲から脱さない限り、半永久的にその場から動けなくしてしまう。


他にも燃焼させる『紅蓮』、電撃を発生させる『稲光』、飛行するための『浮遊』、地形を変える『土遁』など様々だが、色々説明しているうちに深夜になったため、それは後日教えることになった。

最後にオリジナル魔術を教え合おう、ということになり、怜から話すことになった。


「『循環』。ベクトル……方向性を変更する魔術だ。温度、動く向きなどを変えることを想定して作った魔術だが、使いようによっては時間を巻き戻せる」

「あ、だからいつの間に私の背後に回ってたんですね……」

「それで、汐宮は?時々時間が止まってなかったか?」

「ああ、あれはその通り、時間を『停止』させてるんです。自由に解除のタイミングも決められるので重宝してますよ。私しか動けませんしね。……あれ、そういえばそれでも城月くんは動きましたよね?魔術の効果を無効化する魔術かと最初は思いましたけど、魔術式も何もなかったですし」

「あれは、『決意』っていう魔術とは別の現象だ。俗に言う『異常性』だな」


と怜が汐宮の疑問に答えると、『異常性』を知らないのであろう汐宮が首をかしげていた。唯笑が補足で説明した。


「『異常性』ってのは、超レアでね。ごく一部の人間しか使用できないし、だから結構効果も強力だよ。魔術式を介さず使用できちゃうから、初見だとびっくりするよね」

「はあ、なるほど。それで『決意』というのはどういった効果なんですか?」

「『決意』は、精神衛生にも影響されるが、発動さえすればチートだ。なんせ、全ての魔術の効果を、俺が意図する効果に上書きできるからな。無効化どころかカウンターだって決められる」

「え、」

「まあやりすぎると誰からも認識されなくなったり記憶を失ったりするから過剰な使用は厳禁だけどね」

「いや、それでも強すぎますって……」


汐宮がそう苦笑を浮かべた。怜も「そうだよな。正直強すぎる」と苦笑で返した後、


「でも、この力を必要としてくれる人がいる。なら、ちゃんと向き合うさ」


とそう続けて、勉強会はお開きになった。

魔術の解説回でした。


評価、感想などいただけますと幸いです。

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