ちょっと腹が立って異世界を滅ぼしたら、すごい勢いで恨まれた件(短編版)
※とびらの先生主催『あらすじだけ企画』参加作品です。
ですので、内容は冒頭からエンディングまでのあらすじ「だけ」ですので本文はありません。ご注意ください。
日本から異世界に召喚された六条一弥は、異世界転移の際に神から与えられた強力無比なチート魔力を使い、人知を超えた威力の魔法によって、あっという間に魔王を打倒し世界に平和を齎した。彼を召喚した王国の姫を始め、王族から民衆まで彼の功績を称えていた。
そう本人は自覚していたのだったが、どうやら現地の人々にとっては魔王を超える恐怖の対象になっているらしい。魔王の手下を村ごと焼き払ったり、幹部を居城ごと亜空間に消し去ったりなどの大雑把すぎる対処法に、度々一般民衆が巻き込まれていたことが原因らしい。
当人は大事の前の小事程度の認識だったが、国を脅かす存在だと断定された六条は、祝賀パーティーだと騙されて、特殊な封印魔法で永遠の闇の中へと放り込まれてしまう。
しかしあっさりと脱出。激怒した六条の魔法により異世界そのものを破壊することで留飲を下げることに。
ところが、世界の崩壊から逃れて別世界へと次元を越える際、鬼のように怒り狂った姫が彼にしがみついてきた。
これを次元の狭間に蹴落とした六条は、神の存在する次元へと避難。
神は「世界を壊しちゃったのは仕方ないけれど、世界作るのもそれなりに手間かかるしポコポコ世界を壊されても困るから」と魔法の力に制限が掛けられ、さらには町を破壊するような強大な魔法を使うと下痢などの辛い症状に見舞われる「呪い」までかけられ、別の異世界へと放り込まれてしまう。
仕方ないので残された力で平和に暮らそうと考えた六条は、近くにあった都市を襲っていた数百人規模の武装強盗団を皆殺しにして、呪いによってトイレで数時間苦しんだ後、領主から見返りに金をもらうことに。
積みあがった死体を見せつけながら都市の金庫から数年は遊んで暮らせる金を脅し取った六条に、都市の代表がこれら盗賊団は近くの国境で戦っていた兵たちが逃亡してきた連中だと説明。戦闘が行われている国境で活躍すれば王からの褒美もあるかも知れないと唆され、六条は折角なら王様からも金をもらおうと国境へ向かう。
国境は激戦地となっていた。隣接する蛮族国家との戦いは熾烈を極め、国境線をかろうじて保っている程度であった。
領主からの紹介状の効果か単なる数合わせか、さっさと前線に放り込まれた六条は、蛮族の王となった姫と再会し、殺されかけるもどうにか撃退に成功。
アウトドアトイレットを満喫せざるを得ない状況が続いてウンザリしていた六条だが、王からの依頼で新たな魔王として君臨し始めていた蛮族王を倒して併呑してくれたら望む褒美を与えるとのことで喜び勇んで蛮族の支配地へと乗り込むことに。
王が付けた従者という名の監視役の目もなんのその。六条は道々の村を壊滅させたり脅迫したり、と蛮族軍が敗走した跡を潰していくかのように順調に歩を進め、ついには大森林と呼ばれる生い茂る木々といくつもの断崖で構成された難所へと到着する。
従者はここからが危険であると警告するが、六条は気にせずどんどん森の奥へ。途中、森の守り人を名乗る者たちに襲われるが、叩きのめしたうえで森に火をつけるか案内するかの2択を迫り恭順させると、難なく森の最奥へと到達した。
ここで蛮族王と再会するが、彼女に力を与えていたと思しき邪悪な存在(六条のことではない)が、役立たずだと判断した蛮族王から力を取り上げて自ら六条を叩きのめし、世界を手に入れるために真の魔王として立ちはだかった。
ワイルド系にイメチェンした姫もアリだと思っていた六条が、助けた姫にナイフで刺されるなどのちょっとしたアクシデントは発生したものの、六条は刺し傷と魔法の副作用によるダブルの腹痛に耐えつつも戦い続けた。
精神体のみであり核などの弱点も存在しない真魔王に対し、次元の彼方へと封印する魔法を行使することで強制的に退場させる方法を選択した六条は、巨大な漆黒の穴に真魔王を叩き落した直後、姫と従者によって同じ穴に突き落とされてしまった。
次元の狭間となった巨大な穴に二人の巨悪は封印され、従者と姫は世界に平和が訪れたことを確信する。
そして従者は世界に平和を齎した勇者として栄光を手に入れ、姫もまた、改めて蛮族たちのまとめ役として女王に君臨。王国との友好関係を築き上げることに成功する。
こうして彼女たちが作り上げた新たな時代には、大森林の魔王と異世界からの魔王の2つの脅威を忘れてはならないと長く語り継がれるのであった。
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