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あの時、会いにきてくれたんだね。

作者: 日向七帆

初めての妊娠中のこと。性別が判明する少し前に夢に男の子が出てきました。

夏の暑い日差しの下、ワインレッドのタンクトップを着た男の子が楽しそうに満面の笑みで微笑んでいました。

目覚めてから記憶に残っていたのは、その光景だけでした。


その夢のことはすぐに忘れてしまった半月後、検診の際に医師から告げられた性別は女の子。しかし妊娠初期から男の子のような気がしていたので、おかしいな、と思っていたら、臨月の頃に告げられた性別は男の子。やっぱりね、などと思っていました。


あの夢のことはすっかり忘れ、約二年の月日が流れていたある夏の日。一歳半を過ぎた息子と公園で遊んでいたとき、シーソーに乗っている息子を見て頭の中でフラッシュが走りました。

「あの時の男の子…!」

そうです。この日の息子はワインレッドのタンクトップを着て、シーソーの上で笑っていたのです。夢で見た男の子のことは、すっかり忘れていました。パズルのピースがカチっと合ったかのようにピンときた瞬間でした。


あの時、会いにきてくれたんだ。


思えば、息子の妊娠中はもう一つ不思議なことがあって、名前を考えては、その名前に込めた思いや由来とともに夫に提案してはダメ出しを受けるということを繰り返していました。男の子の名前と、念のため女の子の名前を両方。実際に命名をした、現在の名前を提案したときもダメ出しを受けました。いつもならすぐに次の名前を考え付くのですが、このときは次の名前を思いつくことはなく、考えあぐねていました。


残りの妊娠生活を楽しもうとのんびりしていたそんなある日、予定日よりも20日も早く破水。医師にも「この子は何を急いで産まれようとしているんだろうね。」などと言われながら、日付が変わった頃に誕生しました。そして現在の名前をそのまま夫が採用した形になりました。

息子が自分でこの名前を選んで産まれてきたように思います。

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― 新着の感想 ―
[一言] 感想ではお久し振り! 稲村某で御座います。 うちのオタクな娘にはミラクルエピソードは有りませんが、四ヶ月位の時にエコー写真見ながら「……空豆みたいだねぇ」「じゃ、今はマメちゃんだ!! マメ…
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