表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
知らない世界は千紫万紅  作者: いかのあかいろ
第一章 外の景色
2/2

第一章之壱 『謎の少女』


「んー?」


俺は今、生きた人生の中で一番悩み困っている。


今世紀最大の問題。


「・・・。」


『自分の目の前に白髪の少女が倒れているのだ。』


何も無い地面に。

金貨や宝を探してるわけでもなく、もしろピクリと動かない。

生きてるのか?

疑問に思い少し近づく。息遣いが聞こえる。遊び疲れた子供が布団で昼寝をするような『スースー』と。

死んで腐った屍のように眠っている白髪の少女が今俺の目の前に倒れている。

厳密に言うと、食料を調達しに歩いているところに倒れている彼女を発見したのだ。

決して空から降ってきたわけでも唐突に目の前から現れたわけでもなく、ただただ俺が歩いてるところ発見したそんな現状だ。


しかし不思議だ。

まぁ少女がこんな無人島で倒れていること自体不思議なんだがそれとは別に、、、

彼女の周りに俺以外の足跡がない。

彼女が自分で歩いて力尽きてこの場に倒れているのならば彼女の足跡が1つ2つなければおかしい。誰かが足跡を消した土の痕跡もなし。

ほんとに空から落ちてきたか飛んできたか疑いたくなる。それだったら彼女の周りに足跡がないことは納得する。


「・・・。はぁ…。」


自然とため息が出た。こんな所で考えても仕方がないとりあえず彼女を家に運ぶことにしよう。

軽率な考えだがこんな所で野垂れ死なれて腐った死体が出来上がるのも俺として嫌なのだ。


白髪の少女を担ぎあげる。

軽い。見た目通りの軽さだ。

身長は150cmあるかないかぐらいだろう小柄な少女。


「しかし長い髪だな。」


ボソッと独り言を呟いた。

地面に寝転がってる時は髪が乱れてわかりづらかったが彼女を背中に背負った時、スーッと綺麗に流れる白い長髪。彼女の腰辺りまであると測らなくても分かるぐらい長い白髪。

そんな髪が風で流れる。風鈴でも聞こえそうな綺麗に白髪が風に揺られる。

そんな景色につい見蕩れてしまう。


「はぁ…。」


またため息がでた。

何かめんどさくなってきた。しかし自分で決めたことだとりあえず家に向かおう。


そして少年。天塚一夜が白髪の少女を背中に背負いながら1歩目を踏み出した。

この少女をどうしたらいいのか足りない頭で考えながら1歩目を踏み出した。

いつも食料調達に通ってる道を1歩踏み出した。


「---は?」


、、、、。

しかし、彼の1歩は地面に着地することはなかった。

まるで目をつぶって階段を上がる際最後の1段があると思い込み1歩踏み出した時実際は段差がなかったあの空振り感が彼を襲った。

しかし彼が踏み出した所は何も変哲もない地面だ。階段ではない。


彼は目を疑った。

状況を理解するためすぐさま足元を見た。

彼の目に映ったのは"黒"だった。真っ黒だ。

今さっき白髪の少女を見つけた時まで彼が立っていたのは地面だ。

しかし今立っているのは"黒"の上だ。

そして踏み出した1歩が今現在、空を切って目の前の"黒"に落ちようとしている。

咄嗟に重心を後ろに落としたが力強く踏み出した右足はその重心をなんとも思わずそのまま重力に任せて"黒"に向かっていく。そして体も右足について行くかのように続けて"黒"に落ちていく。


(やばい!!!)



そう思った瞬間彼の意識は"黒"に飲み込まれる体とともに消えた。



第一章之壱!

ふたりが出会ったことでこれから様々な出来事が起こりまくります!

そんな2人がどうやって様々な試練や壁に向かって前へ進んでいくのか乞うご期待!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ