プロローグ 【崩される夢の中】
--わからない。
真っ暗だ。
耳を済ませても何も聞こえない。
何も見えない。
そもそも目を開けているのか、
閉じているのかがわからない。
ここはどこなのか。わからない。
どのくらい自分はこの暗闇にいるのか。
いつからここにいるのか。
いつになったらこの空間から出れるのか。
そもそも出口なんてあるのか。
浮いているのか。沈んでいるのか。
なんの変化もないまま時だけが流れていく。
動くことも何かを感じることも出来ない。
何故自分がここいるのか、自分が何んなのか。
忘れてはならない大事なことがあったはず。
忘れてはならない大事な人たちがいたはず。
確信はできる。しかし思い出すことが出来ない。
わからない。わからない。わからない。わからない。
だんだん頭で考えることすら出来なくなってきた。
まるで頭が考えることを嫌がるような。
良いようなことも嫌なことを全部消し去ってくような。
どれくらい経ったのだろう。いや時が経っているのだろうか。
相変わらず、まともに考えることも動くことも何も出来ない。
動かない。
わからない。動かない。何も出来ない。、、、
わからない。わからない。わからない。わからない。
「----!」
いつからだろうどこからか音が聞こえる。
聞き間違いかもしれない。幻聴かもしれない。
しかしもし何かがこの暗闇で変化している音では?
もしかしたらこの暗闇から脱出できるかもしれない。
そんな根拠もない曖昧な考えを胸に、耳を澄ます。
上手くできているかどうかわからないが耳を澄ましてみる。
「・・・・・・・・」
暗闇の静けさしかない。
なにも聞こえない。
やはり幻聴だったのだ。
「--え、、、!」
いや聞こえる。音が聞こえる。
どこから聞こえるのか全くわからないが確かに
音が聞こえた。
「--え、、、!!!」
、、、繰り返される同じ音。
だんだん聞いてるうちにわかってきた。
音ではなく声が聞こえる。
誰かが誰かを呼んでいる。
声が聞こえる方に体を動かそうと試してみるが動かない。
「--で!--なで!」
少しずつ声が近づいてくる。
初めて聞く声ではない。誰の声だろ?、、、わからない。
けれどこの真っ暗な空間の中で感じることの出来なかった感情や想いがどこから湧き上がってくる。懐かしい声。とても心が満たされる。すごく落ち着く声。
「--待ってろ!」
今度はハッキリ声が聞こえる。
とても荒々しい今にも泣きそうな少し幼さを交えたような声。
「待ってろ!」
荒々しいのにどこか心が落ち着く優しい声。
真っ直ぐなとても胸に響く心強い声。
「待ってろ!かなで!必ずお前を迎えに行くから!」
誰だかわからない。誰の声かわからない。でもわかる。確信が持てる。私の***。
今はその言葉が聞けてとても幸せだ。嬉しすぎて泣きそうだ。、、、
だから--
--待ってる。ずっと、、、。
そして彼女は暗い闇の中で姿を消した。
はじめまして。"いかのあかいろ"と申します。
この度は私目の作品に目を通していただき誠にありがとうごさいます!
初投稿です。初作品です。何もかもはじめて右往左往もわからないのに連載作品です。
一応この作品は私が昔から頭の中でずっと考えてた物語を今回初めて文字にして書きました。
そう!完全に私の趣味です!
なのでこの作品に目を通してくださる皆様。どうか暖かい目でこの作品を見守ってあげてくださると嬉しいです。