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「狼の血族」   ニールジョーダン監督。あるいは、、血染めのファンタジー ( 極私的映画レビュー) 

作者: 舜風人

ニール・ジョーダン監督の長編映画デビュー作。

1984年、原題、ザ・カンパニー・オブ・ウルブズ



彼はその後「インタビューウイズバンパイア」「モナリザ」「クライングゲーム」

等のエキセントリック?な映画を撮ります。


さてこの映画では、、、、


赤ずきんちゃんをモチーフに大胆に改変?して中世のドイツの暗い森を舞台に

ブラックメルヘンが奏でられるのです。物語は現代と中世とが混在して重層的に

また、その中にも、いくつもの挿話を挟んでムードを盛り上げていきます。

原作はアンジェラカーターの残酷童話です。




冒頭、、現代のお屋敷が出てきます、その寝室では一人の少女が眠っていますね。


その部屋には大きなテディベアやら、お人形、等が並んでます。

そうして

、そのベッドで眠り続ける少女が夢見るのは、、、、、、、



むかーしむかしのドイツの森の寒村です。

村の少女のロザリンは13歳、

おばあさんから昔話を聞くのが好きだった。

おばあさんは語りながらロザリンに、こう諭す。

「いいかい、森の中では決して脇道に入っちゃだめだよ、

それから、眉つながりの男、には気をお付け。そいつは人狼だからね。」


そんなある日、、ロザリンの姉が森で狼に食い殺される。

村人たちはそのオオカミを捜索してついに打ち殺すのだが、、

何と、死んだオオカミは、、よく見ると人間に変身してるのだ、

つまりそいつは人狼、Werewolf、だったのだ、


おばあさんの語る人狼伝説とは、、

むかーし、むかし、ある村娘が行商のイケメンと結婚するが、、

初夜の晩がちょうど満月で行商人は、むくむくと胸に獣毛が生えてきて、、

そう、つまりこの行商人、人狼だったのだ、

それがばれるので姿をくらましてしまう。

数年後ほかの男と結婚し子供もできたこの女のもとにある日ひょっこりこの行商人(人狼)が現れる。


熱心に耳を傾けるロザリン、

おばあさんは言う、

「いいかいロザリン、狼にはいい狼と根っから悪い狼とがいるんだよ」


映画はこのように現代の眠る少女の見る夢と

その夢の中のロザリンとおばあさんと

そのまたおばあさんの語る昔話とが

交錯して重層化してまるで万華鏡のように、、

展開してゆく、


そして特筆すべきはその舞台セット、大道具や背景、、、

まあ、「セット」といいきってしまうと、、身もふたもありませんが、、

これがまた(たぶん?)CGなんかじゃなくって実にいい味のセットなんですよ。

まず暗いドイツの中世の森、、こじんまりとしたセットなんですが

これがまたステキですね。


森の小動物、象徴的な白い鳩、カエル、蛇、

これらの舞台装置をセットしたこの森はまさに

グリムの森そのものですね。

今すぐそこへ行ってみたいようなそんな気にさせるセットです。



さてこんな挿話も挟まれてますよ、領主の息子が結婚式の宴会にどこからともなく

おなかの大きな、薄汚い村娘が現れます。

そして息子に向かって

「私をこんな体にしておいて、今度はこんな娘と結婚するのかい?」

と言いながら呪いの呪文をその場の賓客に掛けて

そいつらをみんな狼に変身させてしまうのです。

そうです、この女、実は魔女?だったのですね。


こうした挿話がいくつも挟まれて、

夢(悪夢)と暗喩の交響楽が奏でられるのです。



そうしていよいよ物語は佳境にはいっていきますよ。


ここからが本来の赤ずきん物語と符合してきます。


ロザリンはある日お母さんの言いつけで森の中のおばあさんの家に

葡萄酒を届けに行きます。着ていくのはもちろんおばあさんが編んでくれた

赤ずきんです。


森の中でさっそくロザリンはイケメンの猟師と出合います。

眉のつながった怪しい猟師、、。

猟師はロザリンにおばあさんの家までどっちが先につくか競争しようと持ちかけるのです。


ロザリンがおばあさんの家に着く前に、、猟師は到着して、、、、

そうです、

実はこの猟師、、人狼だったのですね。

おばあさんを食い尽くしてしまいます。


それを知らずにやっと到着したロザリン、

人狼がおばあさんを食ってしまったことにきずきますが、


野性に目覚めたロザリンは、、とうとう人狼の餌食に、、、


やがてロザリンも、、狼に変身して

狼たちとともに、森に入ってゆくのでした。



森を走り回る狼の大群、


それは


あれれ?


やがて、、現代の道路へ、、

そしてあの冒頭の、眠れる少女の館へ、、

ガラス戸を破り狼の大群が


あの眠れる少女のベッドになだれ込むのでした。


悲鳴を上げる少女。



ここで映画は終わりますが。




めくるめく、夢と暗喩の万華鏡。


エピソードが

夢と交錯して


重層化して


こんがらがって?


まあそんな筋は気にしないで


万華鏡のようなこのダークな雰囲気に浸りきりましょう、、。


悪夢と血染めのダークファンタジー


まさに、


これはその傑作と言えるでしょうね。





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