重大な
優真がアルバイトを終えると、拓弥が今か今かとまっていた。
「待たせてごめんな。会って話すだけなのにこんなに待たせてしまって」
「いや、気にするなよ。それより、話はどっかのファミレスで話そうぜ。腹、減っちまったぜ」
「 嗚呼、そのつもりだけどさ。俺が奢るよ」
「優真。お前、食事制限であんまり食べれないだろう? 奢ってもらうの悪いぜ」
「んじゃ、たくさん食おうかな?」
優真は冗談で言う。
「やめとけよ。お前の体じゃ、あとで発作起こすだろ」
しかし、優真の冗談を本気にした様子を見せる拓弥。
「冗談だから」
優真は苦笑いした。
「ったく、心配させやがって」
「ごめんって」
優真は謝るが、拓弥は眉間に皺を寄せている。
数分後、近くのファミレスに着き二人は席に座り話し始めた。
「俺、五日後には他のアルバイトやることになった。昼は律さんのところで、夕方から夜は近くのバーで働くことになったんだ。あまり、休めないかもな……」
「おいっ、休む時間少ないと絶対倒れるって! 高校の時、倒れたことあるだろ。それにバーって大丈夫なのかよ?」
優真の話を聞いて拓弥は口調が荒くなっている。それだけ心配しているのだ。
「いや、最近は、長いこと入院しないで、薬だけでやっていけてるから大丈夫だって。それにバーだからってお酒飲まなきゃ大丈夫だ。まあ、倒れたら倒れたで、しょうがないな」
「そんなこと言うなよ」
拓弥は優真の言葉に悲しそうな表情をする。その優真は苦笑いしたまま黙っていた。
二人の間に、沈黙が流れた。