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突然の出来事に

拓弥と律が病院を後にし、(しばら)くすると真次が優真のところへ来た。


それに気づいた優真は振り向いて口を開く。

「父、さ、ん」


「優真、実はな、先生から言われたんだ」


「……?」

優真は父の突然の言葉にきょとんとしていた。

「優真、よく聞くんだ。お前、余命宣告されていて、その、もう、体力的にお前の身体では手術が受けられないと言われたんだ。本当は言いたくないが、残り(わず)かしかないらしいんだ」

真次は震えながら優真に伝える。どんなに耐えていても震えは収まらないほどだった。



「全部、知って、る……」

それを聞いた優真は苦笑いするしかなかった。



「そうか。何もしてやれなくて御免な」

少し間を置くと、申し訳無さそうに頭を下げる真次。


「父、さん、俺、は、出来、る、限、り、生き、」

優真は最後まで言い切ろうとしたが、途中で吐血してしまう。


「優真、大丈夫か!?」

しかし、優真はとても苦しそうにして応答出来ない。


そして、機械が『ピピッピ』と激しく鳴り優真は意識を失ってしまう。

「優真! しっかりしろ」

真次はそう叫んでいるが優真の反応がない。


数分後、優真の様子に気付いた担当医が駆けつけた。

「優真くん、聞こえるか? 真次さん、治療をしますので一旦席を外して下さい」


「はい。あの、優真は助かるんでしょうか?」

聞こえるくらいの声でそう言った真次の言葉を無視し、担当医は優真の治療に取り掛かっていた。


真次は暫く廊下で優真の無事を祈るばかりだったが、十分経っても中から担当医が出てこない事に不安を覚え静かにその場を離れた。外に出て、携帯を取り出し、ある番号に電話をかけた。


(もしかしたら、これが最後かもしれない)

真次は心の中で思い始めたのだった。

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