揺るがされる思い
「優真、まだ死ぬな。あいつのところに行くのはまだ早い」
優真の言葉に真次は引き止めるように言う。
「父、さ、ん。母、さ、ん、に、会い、た、い」
「………」
優真の言葉を聞いて黙り込む真次。真次はこの言葉がどういう事なのか察していた。
「優真さん、死なないでください」
咲も優真の言葉に何か感じとっていた。涙目になり、次第にポタポタと涙が零れる。
「咲、ちゃ、ん。大、丈、夫、だ」
「優真さん、大丈夫じゃないですか!」
そう怒鳴って泣きながら病室を出ていく咲。
「咲、ちゃ、」
酸素マスクをしていても咳き込む優真。
「優真、無理をするな」
「……」
優真は話すことが出来なくなり、黙り込む。
その様子が気になり担当医は心配になり声を掛ける。
「優真くん、どこか痛くないか?」
「大、丈、夫、で、す」
優真は頑張って声を出す。
「おそらく今は痛み留めで痛みが引いてるかもしれない。何かあったら、すぐ言いなさい」
担当医はそう言うと真次のほうを振り向く。
「真次さん、ちょっといいですか?」
「はい」
真次を連れて病室を出て行ってしまった。
優真は病室で一人になると不安が押し寄せてきた。
(俺は、皆の為に生き続けなければならないのだろうか。それとも 母さんのところへといくべきか。体が動かないから母さんのところへ……)
ふと心の中で思っていたのだった。




