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過去編4 疑惑
ある日のこと。クラスの男子たちのまわりではある疑惑が起きた。
「佐山って奴さ、何でいつも体育見学してるんだ?」
「サボりじゃね? モテるからいいみたいな」
「ずりいな。今度、放課後走らせようぜ」
「おう、それいいな」
「おい、何話してるんだ?」
拓弥が聞いていたのか割り込んできた。但し詳しい話は分からないみたいだ。
「おっ、青山じゃんか! 最近さ、佐山が体育いつも見学してることに気づいたんだよ」
一番生意気そうな男子が図々しそうに言う。
「確かに見学してるな。でも、何か理由があるんじゃないか?」
拓弥は納得するが、少し考えてあることを思い出す。それは昼休みに優真が突然苦しみだした出来事だった。
「何かってなんだよ」
拓弥の言葉に笑い飛ばす男子たち。
「そこまでは知らねえよ……」
拓弥はそう言葉を漏らすように口にし教室を後にしたのだった。




