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優真の容態

咲が涙を流していた様子を見ていたのだろうか、優真の父は心配そうな表情を浮かべる。

「君、大丈夫かい?」咲に問いかけた。


「はい、大丈夫です」

咲は涙を拭って答える。


「でも涙が、」

咲を気づかってハンカチを差し出すが、咲は受け取らず無理にでも笑おうとするかのように平気な顔を見せた。

「私は大丈夫ですから」



「無理はしないように」


「無理なんてしてな、」


「優真は!?」

咲の言葉を遮って突然声が聞こえてきた。拓弥だった。その後ろには律が居る。


「拓弥さん、律さん」

咲は二人が入ってくるとそう呟いていたが何処か安心感を抱いた。



「咲ちゃん来てたんだね。優真くんがいつもの病室に居なかったから聞いてみたらここにいるって教えてもらってね。時間掛かってしまったよ。あっ、真次さん」

咲に向かって苦笑いしながらそう言うと真次というのだろうか男の人を見て挨拶の礼をした。


「律さん? 久しぶりです。いつも、優真がお世話になってます」


どうやら、律と真次という名の男の人は顔見知りのようだった。


「真次さん、それより優真くんの容態は大丈夫なのかい?」


「それがここ三日間、意識が戻ってなくて」


「そう。三日前に熱があるって言ってたんだ。まさかこうなるとは」


「医師から聞いてます。俺が付いてれば、こんな事には、」


「大丈夫さ。こうなっても、必死に生きようとしてるよ。優真くんを信じよう」


「だといいんですが……」

どこか不安の顔を浮かべる優真の父である真次。


そこへ担当医が入ってくる。入ってきたのを確認すると真っ先に拓弥が動く。


「先生、優真は大丈夫だよな?」

拓弥が心配そうな目で聞く。


「...………」

言葉に詰まって黙り込んでいる担当医。


「何だよ。結局、死ぬのかよ」


「そうは言ってない」


「じゃあ何なんだよ!」


「拓弥くん、落ち着きなさい」



担当医がそう言うと拓弥は睨みつける。


「こんな状況で落ち着けるわけないだろ!」

拓弥は怒鳴って部屋を出て行ってしまった。


「拓弥さん……」

咲は拓弥の後を追って部屋を出ていった。

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