皆の為にも
病室に一人取り残された優真は、窓から見える空を眺めてふと思った。
(俺はもうすぐ死ぬのかな、母さん)
そう思ってると担当医が病室に入ってきた。
「優真くん、調子はどうだ?」
「あまり良くないみたいです。……胸がずっと痛くて、」と胸を抑えるような仕草をする優真。
「そうか、」
「もう、手術受けられないんですか?」
「進行しすぎてる身体じゃ負担が大きい」
「そうですか」と俯く優真。
「それに以前までの手術の傷が大きくなって痛みが増すかもしれない」
「増してもいいです」
「何、馬鹿なこと言ってるんだ!」
担当医は優真の言葉を聞いて怒鳴るように大きな声で言う。
「俺、生きたいんです」
「あの子の為か?」と担当医は優真を見て問う。
「はい。けど、咲ちゃんの為だけじゃないんです。拓弥だって、律さんだって、父さんも、その為に生きたいんです」
「その気持ちは分からなくもないが、無理をする事を勧めたくないんだ。分かってくれ」
その言葉に俯く優真。
「今は治療を続けながら、様子を見よう」
「はい……」元気なさそうに返事をする優真。
その後、優真は病室でいろいろと検査や診察などをしたのだった。




