藍の覗き 咲の気持ち
咲が病室に入っていった後、藍は病室のネームプレートを見た。
「佐山、優真?」
個室なので、それ以外の名前は載っていない。藍は優真の名前を確かめると、病室の扉をバレないようにそーっと少しだけ開け中を覗き込む。
優真と咲は嬉しそうに微笑みながら、見つめあい楽しそうに話していた。
「なんだ、楽しそうにしているじゃん」と藍。
そこへ誰かが近づいてくるが、藍は気付かない。
「おい、何してんだ?」
突如、藍の後ろから見知らぬ声が聞こえてきた。藍は咄嗟に振り返る。
「えっ!? なっ 何でもありません」とその場に逃げようとする。
しかし、その見知らぬ男に捕まれる。
「何でもないじゃないだろ! ちょっと来い」
その男は優真の病室の扉を開け藍を連れ込もうとする。
「ちょっと! いきなり何するのよ!」
その騒ぎに咲と優真が振り向く。
「拓弥? 何してるんだ。病院では静かにしてもらわないと先生が……」と入ってきた拓弥に向かって優真が言う。
「あっ……」咲は藍を見て察して思わず声を出してしまった。
「こいつさ、御前らのこと覗いていたんだぞ!?」
「何だって? って誰なんだ?」
「優真、知らないのか? じゃあ、」
優真と拓弥は咲のほうを見る。
「藍姉……何でここに居るの?」
「何でって、あんたが心配だからよ」
「優真さんが居れば大丈夫だもん!」
咲の口からとっさに出る言葉。それは思いもよらない言葉にだった。
「えっ!?」優真が驚いた表情見せる。
咲は、口から出た言葉に恥ずかしく思い顔を真っ赤にする。
「藍姉の馬鹿!」
そう言って咲は病室を出て行ってしまった。




