尾行 藍side
「行ってきます……」と元気なさそうに玄関に向かう咲。
「どこ、行くの?」 と母は問い掛ける。
「好きな人のところでしょ?」
藍の言葉に咲は頷く。
「あたしも行ってあげようか?」
その藍の言葉に咲は首を振る。
そして、睨みつける。その視線に藍は寒気がした。
「冗談だって!」
藍がそう言っている間に咲は行ってしまった。
「さあ、あたしも行きますか!」となぜか張り切る藍。
「怒らせちゃダメよ」母は言うが、藍は聞く耳を持たない様子で支度をして家を出た。
そして、藍の尾行が始まった。
(咲はどこへ行こうとしてるのかな……)
思ってる矢先……突然、咲が振り向く。
とっさに近くの電柱に見つからないように上手く隠れる。
辺りを見回す咲。
(もう! 警戒しすぎだよ。)
咲は後ろに誰も居ないことに安堵の溜息をついて歩き出す。
(咲ったら、本当にドジだよ)と見つからずに済んだ藍が心の中で呟く。
いつの間にか大きな病院に着いていた。
(うわー大きな病院。咲の好きな人って、難病なのかな? 余命宣告されたならそうだろうけど随分と大きい)
藍は、そう考えつつ病院に入っていった。




