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注射
ある日の事だった。担当医がいつものように病室に来ていた。
いつもの注射の時間だった。医者は注射をする準備し、優真は袖を捲って腕を出す。
「最近、どうだい?」
「…………」
俯いて何も言わない優真。
「ん? まあいい。少しチクっとするが我慢してくれ」
担当医は優真の腕に注射を刺す。
優真は腕に注射の針が刺さった瞬間、顔を歪ませる。
「やっぱり、注射は苦手です」
「何度も打たれてるのにかい?」と笑いながら注射を抜いて片付けた。
「優真くん、何かあったらすぐ言うんだよ? 絶対だ」
今度は真剣な眼差しで担当医は忠告するように言った。
「次は直ぐに言います」
問い掛けにそう答えた優真。あっという間に注射の時間が終わった。
この後、進行していく優真の体には担当医以外誰も予想出来なかった。




