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秘密にしてほしいこと
咲と優真が外から病室に戻ると担当医が待っていた。
「外はどうだった?」
担当医は感想を聞く。
「途中で優真さんが、」
「久々の外は気持ち良かったです」
優真は微笑みながら咲の言葉を遮るように答える。その優真の言葉に咲は俯く。本当の事を言いたい気持ちだった。
担当医は一度俯く咲のほうを見るが優真を見てこう言った。
「そうか、良かったな。優真くん検査の時間だから三十分後に検査室に」
「はい」
担当医は検査の時間を伝えると病室から出ていった。
「優真さん、さっきの、」
「誰にも言わないでくれ」
「……」
心配そうに優真を見つめる咲。
「分かりました……」
「ありがとう」
「優真さん、検査行っちゃいますよね。私はこれで失礼します」
「行くけど、もう少し居てもいいんだよ」
「そうですか。でも、用事があるので……」
「そうか。いつでも来てくれていいからね」
「はい……」どこか顔を曇らせ返事をする咲。
咲は病室を出た。
不安な思いを抱えながら……




