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家での出来事 咲side
「ただいま!」
咲は玄関の扉を開けながら元気よく家に入っていった。
「おかえり、咲。何かあった?」
その雰囲気に気付いたのか部屋から出てきた姉が質問してきた。
「なっ、何もないよ」
「わかった、もしかして好きな人でもできた?」
「そっ、そんなことないよ!」
咲はそう言い残して階段を駆け上がり部屋に行ってしまった。
(あれは、図星だ! 咲、わかりやすいな)
微笑んでるのは藍という名前の咲の姉だった。
「面白そう」
咲は部屋にたどり着くと、中に入りドアに寄りかかった。
「何よ。藍姉のバカ」
そう言いながら、ベッドに倒れこみそのまま寝てしまった。
暫くして藍が扉をノックしにやってきた。
「咲、ご飯だよ!」
咲を起こしにきたのだろう、呼びかけている。
「うん、今行く」
目が覚めた咲はそう言った。
そうして、夕食を済ませたのだった。