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病気の秘密

「どうしてここに来たんだい?」


「どうしてって、それは……」

口を閉ざす咲。


「ん?」

優真は傾げ、咲を見つめた。


「あのっ、優真さんの病気って何ですか?」

強い視線で見つめ返しながら問い掛ける。


「俺の病気か。教えてほしいのかい?」


 優真の言葉に大きく頷く咲。


「俺、生まれた時から心臓が悪くてな……。入退院繰り返して最近は病院で薬もらうだけで済んでたんだけどな」


「そうだったんですか。治るんですか?」

咲は病気のことを聞き俯きがちになる。


「俺の体の場合、普通の病気じゃないせいか治らないんだ……。いろいろ制限されてるし、手術も何回も受けてるんだ」

 長々と自分が抱えている病気を説明する優真。


「普通の病気じゃないって……制限ってどんな事ですか?」

 咲は、優真の話を聞いて疑問に思った事を質問してみた。


「んーと、普通の心疾患って血は吐かないが俺は心臓の血管から異常があるらしくて血を吐くし……食事や運動に気をつけなくちゃならない」苦笑いして答えた優真。


「そう、なんですか」

それを聞くと、咲は俯きがちになってしまう。


 その間に優真は、何故か服を少しだけ脱ぎ始める。


 そして、「咲ちゃん……」と呼びかける。


「はい」顔を上げた咲はあるものを見た。

 それは、優真の胸に手術の傷の後が痛々しく残っている優真の身体だった。


「大丈夫、じゃないですよね」

 咲は目を丸くしたかと思えば、心配そうな表情を浮かべる。

「嗚呼。大丈夫とは言えないけど、ここまで生きれた証拠なんだ」

 そう述べながら服を着る優真。

 その表情は、笑っていない。


「そうですよね」


 その時、トントントンと病室の扉を叩く音が聞こえた。


「優真くん、検査だよ」

看護師さんが顔を覗かせながら呼ぶ。 


「はーい、今行きます。ごめん、咲ちゃん。検査行ってくるよ。遅くなるかもしれないから、今日は帰ったほうがいいよ」と優真は促すように言う。


「はい」と答えてから軽くお辞儀し背を向け何も言わずに去ってしまう咲。


「良ければ、また来てねー」と優真は咲に届くように大きな声で叫ぶ。


「行きます、絶対に行きます」

咲はそれに答え、手を振って病院を後にした。

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