訪問
しばらくすると、咲と律は病院に着いた。
ふと咲は病院を見上げる。
「大きい病院なんだ。いったいどうしたんだろう」
自然とそう呟いていた。
「んじゃ、入るよ」
律は咲のほうを振り向き声をかけた。咲は頷く。
二人は廊下を歩き、直ぐに『佐山優真』という名前が入ったプレートの病室を見つけた。
病室の前まで来ると、律がドアをノックした。
「どうぞ」と中から優真の声が聞こえてきた。
先に律が中へと入る。
「律さんか」
「今日は、ある子を連れてきたよ」
「ん?」
誰か分からないので優真は傾げていた。
「おいで」
咲を手招きする律。
「失礼します」
そう言いながら、咲が病室に入る。
「!? さっ、咲ちゃん!? うっ……」
優真は咲を見ると驚き、苦しそうにし顔を俯かせた。
「優真さん、大丈夫ですか!?」
「大丈夫だよ……」
優真はすぐさま顔を上げて優しく微笑む。
「なんだい、なんだい?」
律は二人を見るとにやける。
「あたしは邪魔のようだね。じゃあ、そろそろ店に戻るとするよ」
何かを察して、律は病室を出ていった。
「ちょっと、律さん!! ああもう!」
優真は叫んだが、次第に諦めた。そして、咲を見つめた。
咲は見つめられ俯く。
(どうして、優真さんは私のこと見つめてるの? どうしよう……)
二人の久々の再会は、喫茶店のとき以来だったこともあり、気まずい空気が流れた。




