小者
高校のときの俺は大学に入れば何か変わると思ってた。大学に入れば自分のやりたいことが
見つかると思ってた・・・。大学に入ってから一年が過ぎた。だが俺には何も無かった。
この一年、やったことといったら学校へ行って、バイトへ行って帰ってパソコンで2chを見
て、母親の作った飯を食べる。それだけだった。
バイト先には未だに馴染めていない。バイト先で「おつかれさまです」と「おつかれさまでし
た」以外の言葉を発したのはいつだっただろう。自分以外の人たちはみんな楽しそうにしている。
「今日終わったらカラオケ行こうぜ」と他の人たちが話をしているのを聞くと、『今日は自分も
誘われたらどうしよう・・・』などと妄想をしてしまう。誘われたことは、無い。
また、ある日「今度の連休、遊びに行かないか?」と学校の友達に誘われたが、「バイトがあっ
てどこにも行けない」と断ってしまった。何で断ったのかは、自分でもわかる。引き止めて欲しい
のだ。引き止めてもらい、自分が必要とされてる、ということを内心喜ぶ。そんな自分のことを自
分自身でも小さい人間だとわかっていた。『こんなことでしか自分自身に価値を見出せないの
か・・・』と。
「このままじゃ駄目だ・・・」とつぶやき、外に出てみた。曇り空。家のすぐ近くに
公園があるのでそこへ行ってみた。空を見上げる。曇り空。「おっし、やってやる!」と意味も無
く空に向かって叫んでみた。二人組みのOLが、可哀想な人を見る目でこちらを見ていた。「漫画の
ようにはいかないよな・・・」そうだろうか・・・。そうだろうな。
初めて書いてみましたが、こういうの書ける人ってやっぱり凄いな、と思いました