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Libre !!  作者: Shina Kuroe
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2. 晴れた次の日(1)

やっと2章突入

次の日、かっちゃんはイルカレースの準備で駆け回ってるので、私とレイでスイスイくんの練習がてら絹に島内を案内してあげた。


「う、わあ!」


「おいこら俺に寄りかかってたら進めないぞ。」


絹は運動神経はさほど良く無いらしく、スイスイ君に大苦戦し、早くもウールーズ・ツアーは中断を強いられていた。


「絹ったらレイに抱きついちゃって、なんかホモっぽいね、うふふ。」


「満輝ぃ!妙なことを言うんじゃない!」


え、今の口に出てた?


レイに怒鳴られて、私はあわてて口を押さえたけど、もう遅い。


だって、最近日本で流行ってる「BL小説」なるものを発見して、昨日の夜すごく面白い


話を見つけたんだもん。


「全く・・・余計なことばかり言って・・・ちょっとは満輝も手伝えっての。」


「私は絹の体重を支えきれないもの。あ、でも確かに、自分でバランスとらないといつま


でも乗りこなせないんだからね、絹。」


「そんなあ。」


その妙に綺麗な顔でそんなこと言われると、余計女々しく見えるから・・・・。


絹は男だけど美人さんで、黙ってればクールビューティーに見えなくもないのに、中身の


方は割と情けなかった。


いや、むしろ小さい頃にあまりの愛らしさに両親が甘やかしまくったんじゃないだろうか


・・・とか思ってみたりしてたら、絹がまたすっ転んで奇声をあげた。


はあ。


「ほら、しっかり立って!もう一回十秒立ってられたらお昼ご飯にしよう。」


「まじで?!」


突然絹は俄然やる気になって、熱心に努力を始めた。


なんて現金な奴・・・・


ちょっと、いやおおいにおかしくて、私は笑い転げた。






その後、なんとか(早口で)十秒浮いているスイスイ君に立っていられるようになったの


で、ひとまず休憩をとることに。


ここにたどり着くまで約2時間半。長かった。まあ、初めてならこんなもんなのかな?


私たちは小学生の時から乗ってるわけだし・・・まあ、初めは補助ハンドル付きだったけ


ど・・・・って・・・・ん?


「あ!」


「ん?どうした、満輝。」


急に声をあげた私を、レイが不思議そうに見る。


「ねえ、小学校での練習用に使ってた補助ハンドル!あれ使えば良いじゃん!」


「おお。そういえばそんなものがあったような。」


「補助ハンドル?」


 絹が首をかしげる。そっか、絹は知らないもんね。


「補助ハンドルって言うのは、自転車初心者が最初は補助輪付けるみたいに、スイスイ君


に手で支えるハンドルが付けられるの。」


「え。」


・・・・・・・。


しばしの沈黙。


そして、絹が叫んだ。


「早く言ってよおぉぉぉぉ!!!!!」


彼の叫びは深い森の中に、木霊することもなく吸いこまれていった。















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