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3 IFストーリー 理想と現実

※このストーリーは実際にはなかったけど幸せになってほしいと思ってる人に向けてのストーリーです。別にバッドエンドが好きな人はなかったことにしても大丈夫です。

(カルロスが6歳の時から記憶を持ちやり直す)




 目が覚めると6歳の時の自分になっていた。はじめは夢で6歳の頃の思い出を見ているのだと思っていた。しかし感じる嗅覚や味覚、痛覚様々な感覚そのどれもが本当に生きていると証明していた。

 婚約者が死んでから3ヶ月。俺は自分の婚約者を殺してしまったあの日から短い時間ですら眠れずに薬に頼った生活を送っていた。そのせいだろうか、体力的に限界が来ていたのかもしれない。18歳まで生きた俺、前世の俺は死んでしまったのだろう。

 しかし、前世に未練はない。6歳の俺として生きていると気づいた時、「もう一度始め直すことができる」と思ってしまっていた。


 6歳になった年の6月28日。祝福祭。

 この日は革命によって皇帝が代わり、帝国が平和になったとして制定された記念日だ。街は祭りで賑わい、貴族たちも皇宮に集まりパーティーをする。俺は皇子なので当たり前にパーティーに参加していた。このパーティーで俺は初めて婚約者に会う。まだこの時は婚約を結んでいないが。

 パーティーが始まり皇族の俺に一人また一人と挨拶へやってくる。何十人と挨拶を合して、ついに未来の婚約者の番が来た。はじめて俺の顔を見た彼は、頬を染めて緊張しているようだった。やはり俺の容姿を見て一目惚れをしていたようだった。


 婚約者にはじめて会ってから数ヶ月後、婚約が決まった。相手は前世と変わらない。彼との婚約関係は今世も変わらないだろうと思っていたが、それでも心の底から安堵した。全く知らない貴族の子供が婚約者にならなくてよかった。

 今世でも婚約が決まった理由は、前世と同じで婚約者が俺を好きだからわがままを言ったのだろうと思った。婚約関係になった理由なんてどうでもよく、ただ前世の失敗を繰り返したくなかった。今世では絶対に婚約者と関わる、今世の俺はそれだけしかなかった。しかし、俺の想像と現実は違った。前世の俺は婚約した理由を知らずに死んだ。偏見を持ったまま、知ろうとも考えようともしなかった。今世もたまたま知る機会がなかったらずっと誤解したままだっただろう。ちょっとした想像と現実の違いが前世の後悔を思い出させ、今世の覚悟を揺らがせた。また前世と同じ結果になるのではないかと怖くなった。婚約者と関わりを持つだけじゃダメだ。考え方や行動、癖、何が好きか嫌いかとか、婚約者の全てを知る必要があると思った。


 婚約が結ばれてからのはじめてのお茶会。前世と同じように、婚約者は静かになる隙を与えないかのようにさまざまなことを聞いてくる。好きな食べ物・色・動物・本・花・宝石、気に入ってる服・靴、嫌いな食べ物・動物・色、されて嬉しいこと・嫌なこと、普段していること、やってみたいこと、明日の用事、昨日の出来事。婚約者は俺に質問するだけじゃなく、俺の回答の理由を知りたがる。前世の俺はなんとなくや綺麗なので、おもしろいので、と抽象的な返答をしていた。婚約者が嫌いで、会話する気にもなれず、相手が俺に興味をなくすことばかりを望んでいた。しかし、今世は俺の趣味趣向を何一つ包み隠さず打ち明けた。本来なら2時間のお茶会が4時間半と大幅に延長することになった。前世ならありえない話だろう。しかし、はじめてのお茶会は、婚約者の質問だけで終わってしまった。結局婚約者のことを何一つ知ることはできなかった。


 婚約が結ばれてから約1年が経った。はじめてのお茶会の後も2時間だったはずのお茶会は4時間5時間と予定より延長してしまっていた。しかし、時間だけじゃなく、開催される日数も日に日に増えていた。それは俺から提案したことだった。前世の定期的に行われていたお茶会は月に2回、今世ははじめてお茶会が開かれた月の次の月から月6回と4回も増えていた。回数を増やした理由は、月2回では婚約者のことを少しも知れる気がしなかったからだった。

 一年のお茶会の結果、婚約者の好きなもの、嫌いなもの、普段の様子、さまざまなことを知ることができた。でもまだ足りない。もっと深くまで知る必要がある。


 婚約が結ばれてから6年。今年から学園入学した。去年まで月に6回で行っていたお茶会も学園に入学してから、俺が生徒会に入ることになったことで減ってしまった。初めの時のように月に2回に戻ってしまった。しかし、回数が減ったからと言ってもう不安はない。

 婚約から6年が経ち、前世とは全く異なっていると実感している。前世の今、俺は外面を気にして、人前では婚約者と仲がいいかのように振る舞っていた。しかし、今世は違う。そんなことをしなくても、どの社交界でも俺たちは想い合っていると噂される。火のないところに煙は立たないという言葉があるように、実際に俺たちは思い合っていた。

 6年間お茶会で、俺は婚約者にちゃんと向き合ったことで俺の外見だけじゃなくて、中身を見ようとしてくれていたことに今更気づいた。でも、気づくことができてよかったと思った。


 婚約してから11年になった。前世の今頃、俺は婚約者が俺の友人のアルをいじめていたことを知った。しかし、それは全部誤解だったことがわかった。アルをいじめていたのは、俺の婚約者に付き纏っていた男子生徒3人組だった。随分前から婚約者はその生徒たちを煙たがっていたが、優しすぎるがゆえに突き放すことができずにいた。しかし、アルをいじめていたことを知り、いろいろ合って男子生徒たちを学園から退学させることができた。今世になって婚約者と長い時間を過ごしていて、いじめはしていないとわかっていた。しかし、改めていじめの真実を知れてよかった。


 学園の卒業パーティーの日。

俺と婚約者は今日学園を卒業する。成人した俺たちは多くの注目を集める。「アネル=モネカと結婚することを正式に発表する。」

 そう言った俺の左には少し照れながら笑っているアネルがいた。



ifハッピーエンド終わり




ーー



 15歳になって、思い出した。俺は愛していた人の剣で自殺した。俺が死を選んだのは、俺にとって婚約者が一番大切だからだ。俺の死は彼にとって嬉しいこと。でも彼の目の前で死ぬ必要はなかった。しかし、そうしたのは少しでも俺のことを覚えていてほしいと思ってしまったから。今考えれば酷いことをしたと思う。だからもう一度15歳に戻ってきてしまったのなら、茶髪の青年との恋をちゃんと応援しようと思った。しかし、戻ってきてからわかった。彼は俺の知っている婚約者じゃなかった。


 学校でこちらに気づくとパッと笑顔になる。そして優雅に見える歩き方ではあるが、ものすごい速さでこちらへ向かってくる。もうこの時点で前世とは違うのだが、当たり前のように手を繋ぎ歩き出す。連れ出されたところは、普段から人が少ない校舎の、さらに人気が少ない教室。連れ出されても特に何をするでもなく、ただバックハグされているだけ。そして時間が経つとそのまま解散して教室へ戻る。本当に何もかも違う。前世の記憶が戻ってから、今世の記憶が曖昧になってしまっていた。というか、ない。そして、彼の行動の意図がわからない。まさか今世の俺が彼を恋に落としたのかもしれない。何にせよ、俺は好きな人と一緒にいられて嬉しい。すごく幸せだ。


ーー


 俺とアネルは結婚した。今は一緒に暮らしている。

 結婚してから何日、何ヶ月、何年経っても思う。本当のアネルとの結婚はとても嬉しい。


読んでいただいてありがとうございます!

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