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ナビ殺人

「またナビ殺人か」

渋谷署の西田と清水は言った。

『ナビ殺人』とは、最近よくある、

ナビに指示された殺人事件である。


今のナビはAIによって飛躍的に進歩した。

まず、運転者本人と会話をする。

もちろん、運転者に反論や喧嘩もする。

そして、ついに、

「命令」までするようになったのだ。


今回もそうだった。

「ナビ」に指示され、誘導された。

では、「ナビ」が「真犯人」なのか?

古参西田刑事は言った。

「ナビ殺人解明の難しいところは、

『本当』の真犯人がなかなか見えて来ないところなんだ」

そうなのである。

必ずナビにそうさせた真犯人がいるのだ。


「悲しいかな、俺はコンピューターに弱い。

お前なら少しはわかるだろう?」

と、西田が清水に

「私だってわかりませんよ、誰がナビにそうさせたかでしょ?

やはりサイバー捜査課ですね」

今や、犯罪の9割にコンピューターがかかわっていた。

そのため、マスコミの注目は捜一よりサイバー課になっていた。


サイバー課の友田と渋谷署清水は同期だった。

「また頼むぞ!友田!」

「まあそうは言っても限界もあるしなあ・・」

「そこをやるのが友田だろ!」

「はははは!」


数日後、その友田から清水に久し振りの電話があった。

「今日、昔よく行ったコメダで会えないか?」

何時間待っただろう?

友田は現れなかった。

その代わりに来たのは、

「友田自殺」

という連絡だった。


それから数年がたっていた。

事件は、

実行犯が精神鑑定で不起訴になり終わっていた。

もちろん、清水は納得していなかった。


そこで密かに捜査し続けていた。

そしてついに友田の書き残したメモを見つけた。

それには驚愕の事実が書いてあった。

「これを見つけたということは、

私はもうこの世にはいないということだろう。

私はどうしたらいいか、わからなくなった。

真犯人がわかった。

しかし言えない。」


私はどうしたらいいんだ?

清水は悩んだ。

西田は言った。

「それでも真犯人を見つけるんだ!

それが友情ってもんだ。」

しかし清水にはできなかった。


これでよかったのだろうか?

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