エピローグ
いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ
本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!
いよいよ、最終話。
この物語も終わりを迎えます!
「それにしても意外だったわね」
「何が?」
「国民の王家に対する反応よ」
「あー、あれねー」
陛下の懺悔に対する国民の反応は
思っていたより寛大なものであった。
その理由を、以前仲良くなった城下の人達を訪ね
祭りの最中に聞いてみた。
王家に対して腹は立っていないのか?と。
すると帰ってきた答えは
意外にもかなり冷静なものだった。
「そりゃー納得はしてないよ?そんな危ないこと、どうして今まで隠してたんだ!?って思うわよ。でもさぁ…神様達が総掛かりでようやくやっつけられるような、とんでもない化物だったんだろ?だったらしょうがないのかなぁって思うわけよ。そんなやつに本気で暴れられたら、どこに隠れたって無駄だろうし、どんなに強い騎士や魔術師だって、人間が太刀打ちできる相手じゃないんだろうからねぇ。むしろ、変に不安を煽られずに、今まで平穏無事に暮らせてこれたのは、それを隠してくれてたからこそだ。それに、王様も王様で、色んなもん抱えて大変だったんだろうしさ。そしたらもう、怒るに怒れないじゃないか」
とは、お喋り大好きな粉屋の奥さんの言だ。
他の人も、大なり小なり不満はあるものの
概ね同じような感じだった。
「へぇー、そういうもんなのね」
「まぁ、陛下が下手に保身に走ったりせずに、真摯に謝っていたっていうのも、国民の心を動かした要因だと思うよ」
「それはあるかもな。愚かな奴ほど、『俺は悪くねぇ』って理論を展開するからな。そうなりゃ、火に油を注ぐだけだ。その点、あの王は賢かったんだろうな。・・・それにしても、お前も物好きだよなぁ」
「え?何よ突然」
「何でわざわざ歩くんだよ?今のお前ならどこにでも行けるし、どこでも視えるだろ?」
私達は今、ベルマーノの北の都市、バスドムから国を出て
更に北を目指して旅をしている。
ヴィータが嘆いている通り、歩いてだ。
「だって、この世界のこと、まだあんまり分かってないし、自分の目でちゃんと見たいんだよ」
一通り事が片付いて
これからどうしようかと考えた時に、ふと気付いた。
あれ?私ってこの世界の国、ウィムニスとベルマーノしか
知らなくない?と。
この世界には、まだたくさんの国があるはず。
どうせ私達には、時間も体力も制限は無いのだから
のんびり世界を見て回り、気に入った所に住み着くのも
悪くないんじゃないか。と思ったのだ。
「でも、あの子達が一緒に来るって言わなかったのは驚いたわ。今までカオリにべったりだったのに」
「あの子達も、もう子どもじゃないってことだね。しっかり親離れできたようで、何よりだよ」
DGは、元々コライ村に住んでいたので
そちらに戻るとしても、狼3兄弟に関しては
私も付いてくると思っていた。
しかし、帰ってきた答えは・・・
「俺達は、タツさんを手伝って、森にいようと思います」
「ぶっちゃけ、カオリ様達とは話そうと思えばいつでも話せるし、会おうと思ったら、転移なり召喚なりしてもらえばいいだけッス」
「ぼ、僕も…もう、食事の必要もなくなりましたし、魔法ももっと上手く使えるようになりたいですし」
ということで、タツと共に守り人になるという
選択をしたのであった。
自立しようとしている子ども達を
無理に縛り付けるものではない。
嬉しい反面、少しの寂しさもあるが
ヨルの言う通り、会おうと思えばいつでも会えるのだ。
それが分かっているからこそ
陛下以下、ベルマーノの人々も、多少惜しんではくれたが
案外あっさりと、別れを受け入れてくれた。
「旅は道連れ世は情け。これからどんな出会いがあるのかなー」
「いろんな人に会えるといいわね」
「うまいもんも探そうぜ」
この世界に来て、初めて出会った「雷鳴」の4人に
入国料を肩代わりしてもらったことが
ついこの間のように思い出せる。
旅は始めたばかり。
まだ見ぬ光景や、出会いを想像し
期待に胸を膨らませ、歩みを進めるのであった。
ここまでお読み頂きまして
本当にありがとうございました!
初めての作品で、書き始めた当初は
こんなに長丁場になる予定はありませんでした(^_^;)
でも、いざ書き始めてみると
後から色々書きたいことが出てきてしまって・・・
どうにか完結まで書き切ることができました。
拙い本作ではありましたが
最後までお付き合い下さった皆様には感謝しかありません。
本当に、本当にありがとうございました!




