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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第20章
315/319

決着

いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!

「ぐっ・・・がっはぁ!」


ブシャッ!ビチャビチャビチャ・・・


深々と刺した刀を引き抜き、後ろに飛び退くと

奴の口から、傷口から、血ではない

何かドス黒い液体が吹き出した。


「な、何あれ・・・」

「今更だが、奴はもう人間じゃねぇってこった。だから…心配すんな。お前が殺したのは、人間の形をした欲の化物であって、人間じゃねぇんだよ」

「・・・うん」


ヴィータは、私が今まで人間を傷付けたり

命を奪うことに拒否感を抱いていたことを知っているから

私の心が少しでも軽くなるようにと

そんな言葉をかけてくれたのだった。


「ゼェ・・・ゼェ・・・なぜ…だ。なぜ、貴様なのだ…。私が…どれほど、願ったか…どれほど、渇望したことか・・・」

「…さっきも言ったでしょ?あんたは幸せを知らないからだよ。欲をかいてばかりで、ずっと無い物ねだりをし続けて、目の前にあった幸せを見ようともしなかった。そんな奴が、他者の幸せを願えるわけないよね。神になったところで、平和とは正反対の世界になることは目に見えてる。それに、物理的にも無理だったしね…」

「おのれ・・・よくも、よくも私の理想郷を…っ!ゴフッ!ガハァッ!」


ビシャッ!・・・ドサッ


何かを言いかけてたが

再びドス黒い液体を大量に吐き出した。

そしてその場に倒れ込み、動かなくなった。


「・・・やったんスかね?」

「うん、多分ね」


傍に皆が集まってきた。

ミモザ達も少し回復したようだ。


動かなくなったスペルディアの体から

ドス黒い液体が徐々に染み出し

地面に黒いシミを作っていった。


「こいつの魂は消滅するんだよね?」

「そうだ。ここまでボロボロになっちまったら、もう回収もできやしねぇ」

「確かに。酷い状態だもんね」

「たくさんの禁を犯して、その都度魂をすり減らしていった成れの果てよ」

「逆にそれだけやらかしておきながら、多少なりとも形が残ってるだけでも大したもんだ」

「元々、魔核に傷付けられていたにも関わらず、それだけ強い魂の持ち主だったってことだよね。それなのに…どうしてこんなことになっちゃったんだろうね」


私達が話している間、スペルディアの体は

黒い液体から霧となって消えていった。

先程まで地面に広がっていた黒いシミまで

跡形もなく消えてしまったのだ。

まるで、最初から何も無かったかのように。


「あいつの描いてた理想郷ってなんだったんだろうね」

「さぁな。今となっては知りようもねぇ」

「どうせ碌なものじゃないわよ。さぁ、もう帰りましょう。…この子も連れて帰ってあげないと」


傍らに横たわるマイケルの亡骸を見つめながら

ヴェールが言った。


そうだ。

ランドルに謝らなきゃ。

相棒を助けられなくてごめん。

私の手で・・・殺してしまってごめんって…。


「しょうがねぇだろ。こいつのことは、事故だったんだよ」

「カオリが気に病むことないわ」


ヴェールとヴィータはそう言ってくれたけど

それでも後悔の念は押し寄せ、涙がとまることはなかった。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


最終話へのカウントダウン。

残り3話。


次回更新は9日、月曜日を予定しております。

よろしくお願い致しますm(_ _)m

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