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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第12章
178/319

あって無いようなもの

いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!

「なるほど。それなら私達と一緒にいても不自然には思われないし、あっちこっち行っても練習だって言い張れるね」


ファイに転移魔法を教えて欲しいと頼み込んだルリカ。

一石二鳥の案に脱帽である。


「あ!僕も!僕も教えて欲しいです、転移魔法」


思いの外ヘルが食いついた。

兄2人より戦闘力では劣るのだが

魔法は2人より上手かった。


それにヘルは器用だし頭がいい。

きっと教えて少し練習すれば、すぐに習得できると思った。


「私が教えるのは構わないけど…大丈夫かしら?」


ファイは、自分が私の従魔達に魔法を教えるのは

不自然に思われないかと心配しているようだ。

すると、ヴィータが策を授けた。


「心配なら伏線張っときゃいいだろ」

「伏線…というと?」

「今までにカオリが人前で大々的に使った魔法は、幻術、隠ぺい、転移の3つだけだ。それ以外は死人が出るとか、国が滅びるとか言って使わせてない。転移にしたって、戦闘訓練で人員入れ替えをした時以外は、いつも他に魔術師がいたはずだ。要するに、コイツは魔法全般がヤベェってことにしときゃいいんだよ」


ヒ、ヒドい!

私だってちゃんと使える魔法はいっぱいあるのに!


私が「うぬぅぐぐぐぐ…」と、声にならない唸り声を

上げつつ、ヴィータを思いっきり睨みつけていると

通信球の向こうから、焦った感じが伝わってきた。


「そ、それはそれでどうなのかしら?カオリにもプライドとか、契約者としての名誉とかが…ゴニョゴニョ」


ファイが必死にフォローしようとしてくれている。

しかし、なぜだかこちら側がヴィータ案に

賛成多数なのである。


「そうねぇ、実際カオリは魔法も魔力も規格外だからねぇ」

「そういえば、歴代の契約者と比べてカオリ様の体術がズバ抜けているのは、戦闘手段に魔法を使わない代わりに、体術に振り切ったからでしたっけ…」

「それに…カオリ様の魔法はホントにスゴいんですが、その…教え方が、ちょっと…()()で…」


ヘル、ヘル?それは気を使ってくれているのかな?

アレってなんだよ・・・


あぁ、そうさ!

確かに私は人にモノを教える時は

擬音が多くなる感覚派さ!


「?そうか?俺はカオリ様の言ってるコト、よーく分かったぞ?」


味方はヨルだけである。

私の説明を理解してくれたのはヨルだけだった。

そのおかげと、ヨルが元々持っていたモノが相まって

彼の戦闘力が爆上がりしたという経緯もあった。


「クッソ。分かったよ。もういいよそれで。じゃぁその問題は解決したとして、実はもう1つ問題が浮上しました。さっきダレルから作戦の全容を聞いて気付いたんだけど、隠ぺいの魔法って生き物や無機物にはかけられるけど、何もない空間にはかけられないの」

「そ、それでは…」

「怪しまれないように今の家と同じ状況を再現するつもりなら、何か建設しないといけないんだよね。建てるためにはそれなりに力を使うから、万が一監視されているとしたら、何かを仕掛けていることが、すぐにバレちゃうと思うんだ」


私のあって無いようなプライドとか名誉よりも

よっぽど重要な話であった。

ここまでお読み頂きありがとうございました。

次回更新は29日、木曜日を予定しております。


よろしくお願い致しますm(_ _)m

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