疑惑
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「アーサーに全てを話す。タツ、力を貸してくれ」
「いいのか?随分決断が早いな」
タツの話を聞いて何か思うところがあったのか
ダレルは力強く宣言した。
一旦持ち帰ると言っていた矢先の決断だっただけに
タツも驚いていた。
「確かに、全てを打ち明けることに不安が無いといえば嘘になるが、このままではシンシアも安心して眠ることができないだろ?」
「そりゃまぁ、そうだよねぇ」
「今はまだ、現実に向き合うことができていないが…アーサーは強い。俺は、アイツの強さに賭けてみようと思う」
仲間を信じる揺るがない決意が見て取れた。
タツもそれは感じたようだ。
「分かった。では、後でもう一度アーサーの所に連れて行ってくれ」
「あぁ、よろしく頼む。・・・だがその前に、1つ気になることがあるんだが…」
ダレルは少し考え込む素振りを見せると私達に向き直った。
「少し、早すぎると思うんだ」
「何がよ?」
「この場所がバレるのが」
「「「あ」」」
今のところ、私達の居場所に関して公表されている情報は
「西の森」ということだけだ。
しかし、先程のヨルの報告から察するに、あのゾンビ達は
迷うことなく、真っ直ぐにここへ向かって来た。
だとすれば、術者はこの場所をピンポイントで知っていた
ということになる。
この森だってかなりの広さがある上に、普段はこの拠点を
幻術と隠ぺいの魔法で隠してあるのだ。
発見するのも一苦労だろう。
闇雲に探したところで、そう簡単に見つかるとは思えない。
ここを知っているのは、直接ここに来たことのある
限られた者達だけのはず。
「俺は魔術師ではないから、魔力や魔法の使い方についてはそれほど詳しくない。場所を知る術があることを否定はできないが、少なくとも物理的には、ここを知らない者がこの短期間で探し当てるというのは無理があると思う」
空いた口が塞がらないとはこのことだ。
なぜ気づかなかった。
ダレルが感じた違和感はその通りなのだが
その正体を辿ってしまうと
考えたくない可能性に行き当たる。
「まさか…内通者が、いる?」
「考えたくはないが、その可能性が高いと思うんだ」
ダレルは悔しそうな、それでいてショックを隠しきれない
表情を浮かべていた。
「ここに直接来たのは、ダレル含めて6人。ジン、ファイ、ルビアス、サミーロ、あの時一緒に来た転移係の魔術師、そしてダレル」
「直接にはそんだけだが、間接的にはもうちっといるぞ」
「間接的ってどういうこと?」
「ここにはファイのマーキングがしてあるでしょ?」
「あ、うん。前回来たときはここから転移して帰ったよね」
「王女の力を覚えてる?」
「魔力を見ただけで誰のものか分かるってやつだよね?・・・あ、そゆこと」
王女と同等の力を持ち、ファイの魔力を知っている者で
尚且つ幻術と隠ぺいの魔法を見破れる者。
「幻術と隠ぺいの魔法を見破るのは、ある程度の実力があれば可能だし、スペルディアがバックにいるのなら容易だろうけど、王女の他に、そんな力を持った人間がいるのかな?」
「…心当たりが無いわけではない。こちらで少し調べてみる。時間をくれ」
ダレルは神妙な面持ちでそう言うと
調査を買って出てくれた。
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