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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第2章
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準備運動は大事なのです

本日2話更新。こちらは1話目です。

いかんいかん、ちょっと思考がネガティブになってきた。

しっかりしなきゃ。ここから先は自分の身は自分で守らなきゃならないんだから。

こんな時は体を動かすに限るよね。


「よし!じゃあまず体の使い方を教えて。動けないことには話にならないし」

「そうね。魔獣相手じゃ意味は無いけど、野生動物や野盗を相手にする時は物理攻撃で十分だものね」


またもや聞き慣れない単語が出てきた。


「野盗・・・そんなのもいるんだ・・・」

「そりゃいるさ。お前が元いた世界だってそうだっただろ?世の中善人だけで成り立ってるわけじゃねぇんだよ」


そりゃそうか。色々いるのは当たり前よな。


「オッケイ、心得た。で、まずはどうすれば?」

「そうだな、まずはシンプルに走り込みだ。ついて来い」

「私は魔獣に遭遇しないように、結界を張りながらついていくわね」

「チョット待って!準備運動させて」

「ハァ?んなもんいらねぇよ」


そういうわけにはいかない。子供の頃から染み付いてる「動く前には準備運動」の習慣を怠るわけにはいかんのだ。いきなり走って足がつったらどうする!痛いんだぞアレ。


「まぁいい。今に解る。その次元の体じゃねぇって事がな」


屈伸、伸脚、前後屈、体側伸ばし、手首足首を回して、アキレス腱を伸ば・・・


「オイ!もういいだろ!?さっさと行くぞ!」


言うが早いかヴィータが走り出してしまった!

あ!ちょっと待って!アキレス腱!アキレス腱は大事なんだぞ!

断裂したら痛いし動けなくなるし、切れる時バーーン!ってすっごい音するんだから!


「待ってよ!まだ終わってないんだから!」


声を上げる私にヴェールがクスクスと笑いながら声をかけた。


「とりあえず行きましょう?大丈夫よ。私達がいるんだから、そんなに大変なことは起こらないわ。ほらほら、早くしないと置いてかれちゃうわよ」


ムゥ・・・納得はしてないが仕方がない。

もうじき見失ってしまいそうなヴィータの背中を急いで追い始めた。

くそぅ、ちゃんと準備運動できてないのにいきなり全力疾走しなきゃいけないなんて・・・っ

明日は全身筋肉痛で動けなくなっているであろうことは想像に難くない。いや、もしかしたら明後日かも。


そんなことを考えていた時が私にもありました。

ヴィータに追いついてからもしばらく走り続けているのに、汗はおろか、息すら上がってない。

おかしい。ちょっと怖い。

私が狼狽えていると、それを察知したのかヴィータが言った。


「その次元の体じゃねぇって言った意味が分かったか?速度上げるぞ、ついて来いよ」

ここまでお読み頂きありがとうございました。


ブクマ登録ありがとうございます!

大変励みになりますぅ(;▽;)


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