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異世界の神はインモラル  作者: アリス
第9章
105/319

遡ることちょっと前

いらっしゃいませぇヽ(=´▽`=)ノ

本日もお越し頂きまして、誠にありがとうございます!


ここから新章突入&カオリ視点に戻ります。

騎士団が来てから数日後、いつも通り家事やら戦闘訓練やらに

精を出していたのだが、ふと気になることがあった。


それはタツの、ひいては鬼の今後について。

タツに関しては、もう誰かに危害を加えるという心配はないのだが

もしこれからも鬼が召喚され続けるようなら

洗脳さえ解ければ安全に話し合えるということを理解してもらわねば。


タツ自身だって、今はまだこの拠点に籠もっているけど

いずれは外へ出て、自分で世界を見て回りたくもなるだろう。

そうなった時に、タツ1人でも歩き回れるようにしておかなくてはならない。


どうしたものかと悩んでいるうちに、自然とタツを目で追っていた。

・・・なんつーか、刀とか角とか八重歯とか…絶妙に厨ニ心を

くすぐるフォルムが揃ってるんだよねー。

その中でも、特徴的なのはやっぱ角だよな。うん。


そして、ふと思いつくプロパガンダ。

私自身、仮面を着けたまま城下を闊歩しているので

それを見慣れた顔馴染みが、城下には相当数いる。

主に商店街に軒を連ねる店の旦那や女将さん達。


この見慣れた仮面に角を付け、純真無垢なサッカー少年が如く

それとなく顔馴染達に訴える。

「鬼は友達、怖くないよ!」作戦だっ!


そしてどの世界でも、情報伝達において噂、(くち)コミというのは

大変有効な手段であり、今回はその効果をフル活用することにした。


商店街の噂好きでおしゃべりな何軒かの店の女将さん

ギルドの受付嬢、酒場のマスター・・・

情報の発信源になり得る人間に、次々とこう吹き込んだ。


「ここだけの話なんだけど、この前西の森に鬼が出たって話知ってる?その鬼が、なんと洗脳されてて、人を襲ってたのもそのせいだったんだって!騎士団の人が話してるのたまたま聞いちゃってさぁ。もし本当なら鬼も半分被害者だよね~」


そして噂好きのおしゃべりさん達には、あえて「誰にも言わないでね」

と口止めをしておく。

こうすることで、噂の広まる速度は跳ね上がるのだ。


逆に、マスターや受付嬢には口止めはしない。

この類の人間は、口止めをすると本当に言わなくなるから。

冒険者が頻繁に出入りする場所では、情報をオープンにして

積極的に話を広めてもらわなくてはね。


最初は、誰しも驚いて警戒していたが、人間の適応力とは

案外たくましいもので、角仮面の私が噂を吹聴し始めてから

1週間も続けると、皆慣れてしまい、誰からもツッコまれなくなった。

変わり者だよなー程度の印象のようで

半信半疑だった話も少しずつ受け入れられていった。


この調子で、本来の鬼は無害であることを民衆に浸透させ

最後に、鬼は洗脳されていて、人間を襲うのは彼らの意思ではなかった

ということが国から発表されれば、この国の民の鬼に対する敵対心も

だいぶ薄まるのではないかと考えた。


騎士団がここへ来た時点で、私が城へ招集されるのはほぼ確定。

問題は、タツも一緒に招集されるかどうか。

招集されたなら、本人が危険性は無い旨を直接訴えられるが

招集されなかった場合は、私が代わりに訴えなくてはならない。

本作戦は、そのための布石でもあった。


それとは別に、孤独というのは思いの外堪えるものだ。

知らない世界に突然召喚されて、そこで鬼という存在が自分1人

という孤独と、その世界では厄介者扱いという疎外感。

見た目だけでも揃えて、その辛さを少しでも払拭してあげられたらと思ったのだ。


・・・それに、こんなにも厨ニ心をくすぐる存在が友好的だと分かったら

そりゃあ、仲良くしたいじゃんねぇ!

ここまでお読み頂きありがとうございました。

やっぱり主人公視点の方が、小ネタも挟めるし

書いていても面白いですねw


次回更新は5日、火曜日を予定しております。

よろしくお願い致しますm(_ _)m

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